山上憶良の万葉集978番歌~アルケーを知りたい(1150)
▼老境かつまた病に苦しむ憶良の元に友人の藤原八束(真楯)が病気伺いに人を遣わした。そのときの憶良の歌。
山上臣憶良、沈痾の時の歌一首
士(をのこ)やも空しくあるべき万代に 語り継ぐべき名は立てずして 万978
右の一首は、山上憶良の臣が沈痾の時に藤原朝臣八束、河辺朝臣東人を使はして疾める状を問はしむ。
ここに、憶良臣、報ふるに語已華る。
しまらくありて、涕を拭ひ悲嘆しびて、この歌を口吟ふ。
*男子たるもの空しく世を過ごして良いものか。後々に語り継がれるような名前も残さぬまま。
【似顔絵サロン】憶良(660-733)の同時代人。藤原 真楯 ふじわら の またて 初名は八束 やつか 715 - 766 奈良時代の公卿。藤原北家の祖・藤原房前の三男。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8A%E6%86%B6%E8%89%AF
https://art-tags.net/manyo/poet/okura.html
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