万葉集巻第七1071-1074番歌(山の端にいさよふ月を)~アルケーを知りたい(1324)
▼今回は、月をネタにした四首の歌。月の出を待つ、今夜の月夜をいつくしむ、一人を嘆く、別の場所を思う。
山の端にいさよふ月を出でむかと 待ちつつ居るに夜ぞ更けにける 万1071
*山の端でなかなか出ない月。いつ出るかと待っているうちに夜が更けてしまいました。
明日の宵照らむ月夜は片寄りに 今夜は寄りて夜長くあらなむ 万1072
*明日の月夜は今夜に合流して、今夜は格別長くあってほしい。
玉垂の小簾の間通しひとり居て 見る験なき夕月夜かも 万1073
*部屋で独りで見る月夜は味気ないものよ。
春日山おして照らせるこの月は 妹が庭にもさやけくありけり 万1074
*春日山を照らすこの月の光で、妻の家の庭もよく見えることでしょう。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:長屋王 ながやおう 676年 - 729年 奈良時代前期の皇親・政治家。高市皇子の長男。藤原四兄弟と政治的に対立。誣告により自殺した。長屋王の変。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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