万葉集巻第七1079-1082番歌(まそ鏡照るべき月を)~アルケーを知りたい(1326)

▼今回も月を詠む歌四首。言い回しは古風でも月を詠む感覚は今も昔も変わらない印象。1081番など、屋外で天体観測しているうちに服が夜露でしっとりするなんてこと今でもあるのではないでしょうか。

まそ鏡照るべき月を白栲の 雲か隠せる天つ霧かも 万1079
*鏡のように照る月を隠しているのは白栲の雲かな、それとも天に立つ霧かな。

ひさかたの天照る月は神代にか 出で反るらむ年は経につつ 万1080
*天の月は神代に戻ったかのように照っています。神代からは年を経たというのに。

ぬばたまの夜渡る月をおもしろみ 我が居る袖に露ぞ置きにける 万1081
*夜空を動く月が面白いので見ているうちに時間が経ち、袖に露が下りてしまいました。

水底の玉さへさやに見つべくも 照る月夜かも夜の更けゆけば 万1082
*水底の玉が清らかに見えるほど、今夜の月はよく照っています。夜が更けるほどに。

【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:桑田王 くわたおう ? - 729年 長屋王の第二王子。長屋王の変で父と共に自殺。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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