万葉集巻第七1083-1086番歌(山の端にいさよふ月を)~アルケーを知りたい(1327)
▼月を詠むシリーズの最後の四首。前半の二首は月が見えていない歌、後半の二首は月が出て夜の景色が見えている歌。締めの四首目は、月が国の繁栄を祈って照っていると詠う。
霜曇りすとにかあるらむひさかたの 夜渡る月の見えなく思へば 万1083
*霜で曇っているのでしょうか。夜空を動く月が見えないのは。
山の端にいさよふ月をいつとかも 我が待ち居らむ夜は更けにつつ 万1084
*山の端で出待ちしている月を待っているうちに夜が更けていきます。
妹があたり我が袖振らむ木の間より 出で来る月に雲なたなびき 万1085
*妻がいる方向に袖を振ってみましょうか。木の間から出る月が雲で隠れないうちに。
靫懸くる伴の男広き大伴に 国栄えむと月は照るらし 万1086
*弓矢で武装した大伴の男たち。国が栄えるようにと月が照っています。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:上毛野 宿奈麻呂 かみつけの の すくなまろ ? - ? 奈良時代の官人。729年、長屋王の変に連座し流罪。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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