万葉集巻第七1087-1089番歌(大海に島もあらなくに)~アルケーを知りたい(1328)
▼雲を詠んだ歌三首。前二首は柿本人麻呂の作、三首目は詠み人知らず。海と空と雲の絵のような歌。
雲を詠む
穴師川川波立ちぬ巻向の 弓月が岳に雲居立てるらし 万1087
*穴師川で川波が立っています。低気圧で巻向の弓月岳に雲がもくもく湧き上がっているらしい。
あしひきの山川の瀬の鳴るなへに 弓月が岳に雲立ちわたる 万1088
右の二首は、柿本朝臣人麻呂が歌集に出づ。
*山川の瀬の音もいちだんと高くなっています。弓月岳は雲がかぶさっています。
大海に島もあらなくに海原の たゆたふ波に立てる白雲 万1089
右の一首は、伊勢の従駕の作。
*島ひとつない大海の海原。ゆったりした波の上に白雲が浮かんでいます。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:大伴 子虫 おおとも の こむし ? - ? 奈良時代の官人。長屋王に仕え厚遇を受けていた。729年の長屋王の変で連座した話は見あたらない。738年、中臣宮処東人(長屋王を誣告した人物)と囲碁をしていた時、話題が長屋王に及ぶにあたり、子虫は憤り、東人を罵ってその場で斬殺。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
コメント
コメントを投稿