万葉集巻第七1122-1126番歌(佐保川の清き川原に)~アルケーを知りたい(1334)

▼万葉集には、1122番のように川に呼びかけたりする歌がある。1124番のように鳥に呼びかけるのはいつものことなので普通。コミュニケーションの相手は人でなくてもOKの精神がよき。

 鳥を詠む
山の際に渡るあきさの行きて居む その川の瀬に波立つなゆめ 万1122
*山あいを飛ぶ小鳥が行く先にある川よ。川の瀬であまり波を立てないでやってくれ。

佐保川の清き川原に鳴く千鳥 かはづと二つ忘れかねつも 万1123
*佐保川の清い川原で鳴く千鳥とカエル。二つとも忘れられない。

佐保川に騒ける千鳥さ夜更けて 汝が声聞けば寐寝かてなくに 万1124
*佐保川で騒いでいる千鳥よ 夜が更けてから鳴くとこちらは寝られないのだよ。

 故郷を思ふ
清き瀬に千鳥妻呼び山の際に 霞立つらむ神なびの里 万1125
*清い瀬で千鳥が妻を呼んで鳴いている。山の際では霞が立つ神なびの里よ。

年月もいまだ経なくに明日香川 瀬々ゆ渡しし石橋もなし 万1126
*年月はそれほど経っていないのに、明日香川の瀬に渡しておいた飛び石の橋がなくなっている。

【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:安宿王 あすかべおう/あすかべのおおきみ ? - ? 奈良時代の皇族。長屋王の五男。長屋王の変では、母が藤原不比等の娘であったことから同母弟の黄文王・山背王とともに罪を免れた。757年、橘奈良麻呂の乱の後、佐渡に流罪。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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