万葉集巻第七1130-1134番歌(神さぶる岩根こごしき)~アルケーを知りたい(1336)
▼今回は吉野を岩、水、山、川で褒める歌5首。日本中どこでもあるものだけど、神さびているのが吉野ならでは。
吉野作
神さぶる岩根こごしきみ吉野の 水分山を見れば悲しも 万1130
*神さびた岩がごつごつしている吉野の水分山。見ていると悲しくなるほど身が引き締まります。
皆人の恋ふるみ吉野今日見れば うべも恋ひけり山川清み 万1131
*みんな大好き吉野の景色。今日見ると、それももっともなことよ、山や川が清らかに澄んでいます。
夢のわだ言にしありけりうつつにも 見て来るものを思ひし思へば 万1132
*夢のわだは、今までは人から聞くだけでした。それを今日はこの目で見て来ましたよ。
すめろきの神の宮人ところづら いやとこしくに我れかへり見む 万1133
*代々、神にお伝えした宮人と同じく、私もこれからは吉野を見にもっと帰ります。
吉野川巌と柏と常盤なす 我れは通はむ万代までに 万1134
*吉野川は、岩と柏の木で成り立っています。私はこれから先もずっと通います。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:藤原 武智麻呂 ふじわら の むちまろ 680年 - 737年 飛鳥時代~奈良時代前期の貴族。藤原不比等の長男。藤原四兄弟の兄。藤原南家開祖。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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