万葉集巻第七1135-1139番歌(宇治川に生ふる菅藻を)~アルケーを知りたい(1337)
▼山背(やましろ)はいまの京都府。5首とも宇治川を詠っているので宇治川作にしても良かったのに。1138番を見て、昔、タクシーを探して捕まえられなかったことを思い出しました。公園でタクシーをと呼ばへども 聞こえずあらし車の音もせず
山背作
宇治川は淀瀬なからし網代人 舟呼ばふ声をちこち聞こゆ 万1135
*宇治川は流れが緩やかな浅瀬がないらしい。網代を仕掛ける漁師が舟を呼ぶ声があちこちから聞こえてきます。
宇治川に生ふる菅藻を川早み 採らず来にけりつとにせましを 万1136
*宇治川の流れが早いので菅藻が採れませんでした。土産にしたかったのですけれど。
宇治人の譬への網代我れならば 今は寄らまし木屑来ずとも 万1137
*宇治の人の例えに使われる網代ですけど、私なら、とっくに寄り付いてます。他の木っ端は来る必要なし、です。
宇治川を舟渡せをと呼ばへども 聞こえずあらし楫の音もせず 万1138
*宇治川を渡りたいので、舟を出してくれと呼んでるんだけど、聞こえないらしい。楫の音もしない。
ちはや人宇治川波を清みかも 旅行く人の立ちかてにする 万1139
*宇治川の川波がとても清らかなので、旅人が立ち去り難い様子です。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:藤原 房前 ふじわら の ふささき 681年 - 737年 飛鳥時代~奈良時代前期の貴族。藤原不比等の次男。藤原四兄弟の次男。藤原北家の祖。政治的力量は兄弟の間で随一。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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