万葉集巻第七1143-1150番歌(馬並めて今日我が見つる)~アルケーを知りたい(1339)

▼今回は住吉の海を詠う歌8首。現在の大阪市住吉区。「馬並めて(友達と馬を並べて)」のフレーズが好きなので、すぐ目が行ってしまう1148番。

さ夜更けて堀江漕ぐなる松浦舟 楫の音高し水脈早みかも 万1143
*夜が更けました。堀江を松浦舟が漕ぎ進んでいますね。楫の音が大きいのは流れが早いからでしょう。

悔しくも満ちぬる潮か住吉の 岸の浦みゆ行かましものを 万1144
*残念ながら潮が満ちてきましたよ。住吉の岸の浦に行こうと思っていましたのに。

妹がため貝を拾ふと茅渟の海に 濡れにし袖は干せど乾かず 万1145
*妻の土産にしようと思って貝を拾いました。茅渟の海で濡れた袖は干しても乾きません。

めづらしき人を我家に住吉の 岸の埴生を見むよしもがも 万1146
*珍しい人が我が家にやってきました。住吉の岸の埴生の貴重な土を見れたらよいのに。

暇あらば拾ひに行かむ住吉の 岸寄るといふ恋忘れ貝 万1147
*機会があれば住吉の岸にあるという恋忘れ貝を拾いに行こうかな。

馬並めて今日我が見つる住吉の 岸の埴生を万代に見む 万1148
*馬を並べて今日我われが見に来た住吉の岸の埴生。これから先もずっと見たいものです。

住吉に行くといふ道に昨日見し 恋忘れ貝言にしありけり 万1149
*住吉に行くという道で昨日見た恋忘れ貝。名前だけのものだったよ。

住吉の岸に家もが沖に辺に 寄する白波見つつ偲はむ 万1150
*住吉の岸に家があったらなあ。いつでも沖や岸辺に寄せる白波を見ていられるのに。

【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:藤原 麻呂 ふじわら の まろ 695年 - 737年 奈良時代の公卿。藤原不比等の四男。藤原四兄弟の四男。藤原京家の祖。上には聖主有りて、下には賢臣有り僕のごときは何を為さんや。なお琴酒を事とするのみ















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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