万葉集巻第七1157-1161番歌(住吉の沖つ白波風吹けば)~アルケーを知りたい(1341)
▼海風が吹くときの海岸の様子を詠った歌の数々。海を見たくなる。潮の匂いを嗅ぎたくなる。
時つ風吹かまく知らず吾児の海の 朝明の潮に玉藻刈りてな 万1157
*潮の風が吹くかも知れません。吾児の海では朝明けの間に玉藻を刈りましょう。
住吉の沖つ白波風吹けば 来寄する浜を見れば清しも 万1158
*住吉の沖で白波を立てるほどの強い風が吹くとき、浜に寄せる波のなんと清いことでしょう。
住吉の岸の松が根うちさらし 寄せ来る波の音のさやけさ 万1159
*住吉の岸の松の根を洗うように寄せ来る波の音。なんと清々しいことでしょう。
難波潟潮干に立て見わたせば 淡路の島に鶴渡る見ゆ 万1160
*難波潟が干潮の時に立って見わたしていると、淡路島に向けて鶴が渡っているのが見えます。
羇旅作
家離り旅にしあれば秋風の 寒き夕に雁鳴き渡る 万1161
*家を離れて旅の途上です。秋風が寒い夕べの時刻、雁が鳴きながら飛んでいます。
【似顔絵サロン】巻7と同じ時代に起こった長屋王の変に関係する人々から:舎人親王 とねりしんのう 676年 - 735年 天武天皇の皇子。政治家・歌人。長屋王の変では新田部親王らと共に長屋王を糾問。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7
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