万葉集巻第七1196‐1200番歌(手に取るがからに忘ると)~アルケーを知りたい(1349)

▼1196番を「Aを求められたときのためにBを用意する。だからCよ、邪魔しないでね」のフレームと見れば、応用して遊べる。例えば、A=話題、B=小話、C=YouTube。こうしてみると万葉の歌たらしめているものと、そうでないものの違いを感じる。何か分からないけど。

つともがと乞はば取らせむ貝拾ふ 我れを濡らすな沖つ白波 万1196
*お土産はなに?と聞かれたら、渡したい。そのための貝を拾うので、沖から来る白波よ、私を濡らさないでおくれ。

手に取るがからに忘ると海人の言ひし 恋忘れ貝言にしありけり 万1197
漁師が言うには、手に取るだけで悩みが消える恋忘れ貝。そんな効果はありませんでした。

あさりすと磯に棲む鶴明けされば 浜風寒み己妻呼ぶも 万1198
*餌をとるため磯に棲んでいる鶴。明け方は寒い浜風が吹くので妻を呼んでいます。

藻刈り舟沖漕ぎ来らし妹が島 形見の浦に鶴翔る見ゆ 万1199
*海藻を刈り取りに舟が来たらしい。妹が島の形見の浦で鶴が飛び立つのが見えます。

我が舟は沖ゆな離り迎へ舟 片待ちがてり浦ゆ漕ぎ逢はむ 万1200
*私の舟よ、沖に出ないで欲しい。迎えの舟と浦で遭いたいから。

【似顔絵サロン】同時代の乱、藤原広嗣の乱の関係者:塩屋 古麻呂 しおや の こまろ ? - ? 奈良時代の官人・明法家(法学の研究者)。740年、藤原広嗣の乱に連座し流罪。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

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