大伴旅人の万葉集876-879番歌~アルケーを知りたい(1117)

▼旅人の帰京が決まり、憶良が自宅か旅人の家の書斎で送別会を開いたときの歌。憶良は旅人との別れが残念でたまらない。さらに自分も京都に帰りたいので、旅人がうらやましくてしょうがない。楽しく寂しく酒が進んだことだろう。

 書殿にて餞酒する日の倭歌四首
天飛ぶや鳥にもがもや都まで 送りまをして飛び帰るもの 万876
*天を飛ぶ鳥になれれば、都まで貴方様を送り届け、こちらに飛び帰ることができるのですが。

ひともねのうらぶれ居るに竜田山 御馬近づかば忘らしなむか 万877
*こちらにいる人は貴方様がいなくなって寂しい気持ちになっていますけど、都に近い竜田山あたりに御馬が近づいたら、貴方様はこちらのことなどもうすっからかんにお忘れになることでしょう。

言ひつつも後こそ知らめとのしくも 寂しけめやも君いまさずして 万878
*などと今はいろいろ申し上げておりますが、貴方様がいなくなった後になって、じわじわと寂しくなりそうな気がします。

万代にいましたまひて天の下 奏したまはね朝廷去らずて 万879
*これから朝廷を去ることなく、末永く政をお続けくださいますようお祈り申し上げます。

【似顔絵サロン】旅人(665-731)の同時代人。藤原 清河 ふじわら の きよかわ ? - ? ?歳。遣唐大使。阿倍仲麻呂と唐朝に仕えた。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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