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アルケーを知りたい(51) デカルト座標 Cartesian coordinate system

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▼万人がお世話になっているデカルト座標ないし直行座標。発明者はルネ・デカルトさん。 ▼直行するx軸とy軸のおかげで点の場所が決まる。象限が4つに分割する。これがすごく便利。 ▲ルネ・デカルトさん。 ▲マラン・メルセンヌさん。フランスの神学者、数学者、物理学者。デカルトさんのよき友。フェルマーさん、ガリレオさん、ホイヘンスさん、トリチェリさんら多くの知識人と交流があった。パリ科学アカデミーの源流。 ▲トマス・ホッブスさん。デカルトさんの仲間。50代のときに生み出した「万人の万人に対する闘争」で有名なイングランドの哲学者。『リヴァイアサン』発刊は63才のとき。

アルケーを知りたい(50) 微積分記号 Leibniz's notation

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▼微積分の創始者のひとり、ライプニッツさん。ニュートンさんが微積分の創始者は自分だと主張して長らく論争が続いたという。どっちかが勝つ、という話でもなかったようだ。 ▼記法が使いやすいということでライプニッツさんの方法がメジャーになった。1600年代に考え出された数学手法が世界に広がり、いまや世界中の高校生が勉強している・・・すごいこと。 ▲『エチカ』の著者スピノザさん。ライプニッツさんが会いに行った14才年上のオランダの哲学者。光学への関心から自分でレンズ磨きを手掛けた。レンズ磨きは当時の知識人のたしなみ。

アルケーを知りたい(49) 運動方程式 Newton's equation of motion

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▼古典力学の土台、ニュートンさんの運動方程式。質量、力、加速度、質点などの意味を知った上でのありがたい方程式。 ▼物理学者がアルケーを追求するほどに、原子モデルを追求するほどに、古典力学の運動方程式では説明がつかなくなる事態が起こる。でもそれまでにまだ300年かかる。ゆっくり行こう。 出所 平尾淳一「総合的研究物理」旺文社、2018年。 ▲アイザック・バロー 1630-1677 ケンブリッジ大学でニュートンを高く評価して指導。奨学生にし、学位も与えた。ニュートンのキャリアパスを開いた数学者。 ▲ゴットフリート・ライプニッツ 1646-1716 微積分法をニュートンとは別に発見・発明。現在使われている微分や積分の記号は彼によるもの。

アルケーを知りたい(48) フックの法則 Hooke's law

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▼昨日のボイルの法則のロバート・ボイルさんの紹介の中に、ロバート・フックさんが入っていたので、つながりということでフックの法則を調べてみた。 ▼バネは身近な存在で、例えば、自転車のスタンドについている。自転車のスタンドのバネは伸び縮みの範囲が限定されているので、ほぼ完全にフックの法則が機能している(はず)。 ▼フックさんはボイルさんのきわめて有能な助手だった。ボイルの法則もフックさんの存在があってこその発見だ。 ▼フックさんが生涯仲が良かったのは数学者で建築家のクリストファー・レンさん。「奇跡の若者」と評されるほど数学・天文学に通じていた。ロンドン大火の後、町の復興で活躍したのは有名。フックさんも測量技師、建築家として共に働いた。 ▼ニュートンさんはフックさんとは折り合いがよろしくなかったようだ。しかし、クリストファー・レンさんのことは高く評価していた。今も昔も人は相性ってものがある。 ▲ロバート・フックさんの親友のクリストファー・レンさん。ロンドン大火の後、セント・ポール大聖堂をはじめ50数棟の教会堂を再建。ロバート・フックさんとライバルだったニュートンさんも当代一流の幾何学者と認めていた。

アルケーを知りたい(47) ボイルの法則 Boyle's law

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▼今回はボイルの法則を確認した。下の表は上の3段で平尾物理、卜部化学、Wikipediaから説明を抽出した。4段目はボイルの法則の提唱者であるロバート・ボイルが生きた17世紀のイングランドの大きな出来事を見た。5段目に同時代人をピックアップした。 ▼ロバート・ボイルが活動した1600年中期には、密閉性と耐圧性を備えたシリンダーやピストン、圧力や温度の測定装置があった、ということが分かる。 ▼気体の状態を示す図では気体分子が枠の中を飛んだり、壁にぶつかったりしている。壁にぶつかることで圧力が生じるのは分かる。分からないのは、気体分子同士の間の空白はどうなっているのか?ということ。 ▼原子の場合は、非常に小さい原子核と遠くに離れたさらに小さい電子があって、両者の間は真空だ。気体の場合、分子と分子の間は真空なのだろうか。分かるのは、こういうことが分からないまま高校を終えてしまった、ということ。 ▼謎を残したままなので、気体という状態について本当のところ全然分かってない。でもその分からなさ加減は、原子内部の空間が真空と言われても分からないのと同じようなもの、という気がするから、少しずつ参考書やWikipediaを読み進める。 ▼不思議なもので少しずつ積み重ねていると1か月前はチンプンカンプンだったものが、少し分かるようになる。例えば、スピンと言われても全く分からなかったけど、今は、何かの量のことだな、くらい前進している(笑)。 出所 平尾淳一「総合的研究物理」旺文社、2018年。 卜部𠮷庸「化学の新研究」三省堂、2019年。 ▼ロバート・ボイル Robert Boyle 1627-1691 混合物mixturesと化合物compoundsをきちんと区分した。筋道だった手順で探求する過程を分析”analysis”と呼んだイングランドの科学者。 ▼幼少期 1627年、アイルランド・ウォーターフォード県リズモア生まれ。父は初代コーク伯爵。大地主。一家の習慣で里子に出される。アイルランド語が堪能になる。ラテン語、ギリシャ語、フランス語も学ぶ。 ▼教育 1635年(8才)母が死去。イングランドのイートン・カレッジに入学(1638年まで)。家庭教師もつく。家庭教師を伴い海外旅行。 1641年(14才)イタリア旅行。フィレンツェでガリレオ先生に師事(ガリレオ先生は翌年死去)。 1642

アルケーを知りたい(46) アルケーな人たち #1

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▼前回、放射線に至って一息つきたくなったので、アルケーの追求に関わる先達の一部をリストにした。参考書の人物紹介と同じ。ちょっと違うのは、学び方・師匠・弟子を付記したこと。 ▼この表で何が見えるか。時期ごとの「空気感」のようなもの。例えば、電磁気学、分子や原子の研究の積み重ねの時期は、見たり触れて確かめたりして、やっていることに手応えが感じされる。原子核や放射線の研究が進み量子力学に入る時期になると、異界へ向かう。 ▼この表で何が見えないか。核分裂、大型装置による素粒子の研究。 ▼この表を眺めているとどんな示唆があるか。テーマとかキーワードから意味を探っていくこれまでの方法に加え、研究に携わった人たちを人脈として掴み、どんな考え方や方法を取ったのかを知りたくなる。 ▲フェリックス・ブロッホさん。スイス生まれ、アメリカの物理学者。MRIの基礎原理である核磁気共鳴の研究で1952年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(45) 放射線 ionising radiation

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▲放射線の種類をまとめてみた。放射線には電離作用があるかないかで二つの種類がある。一つが電離放射線 ionizing radiation、もう一つが非電離放射線 non-ionizing radiation。 ▲電磁波を発見し、発信と受信の実験を行ったハインリヒ・ヘルツさん。ドイツの物理学者。単位Hzとして功績が称えられている。

アルケーを知りたい(44) 陽子線 proton beam

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▼陽子線は医療用として使用されている放射線である。アルファ線がヘリウムの原子核の流れ。紙一枚でストップする。陽子線は水素の原子核=陽子の流れ。身体の患部を狙って照射できる。 ▼陽子については18回(3月29日)に取り上げた。今、表を見直すと当時は意味不明だった言葉の意味が少し分かるようになっている。毎日、素粒子の説明に接していると、門前の小僧習わぬ経を読む、になるのかも。 ▲実験の大家、マイケル・ファラデーさん。イギリスの物理学者。実験物理学の大家としてこのファラデーさんと並び称されるのが陽子を発見したラザフォードさん。年齢差は80才。

アルケーを知りたい(43) 中性子線 neutron beam

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▼中性子線は中性子が飛んでいる状態。 ▼中性子を発見したのはラザフォードさんの弟子チャドウィックさんだった。フランスではキュリー夫人の長女夫妻が中性子を発見していたものの、ガンマ線ではないかと考え、それが中性子であることに気づかなかった。実験から発見したものが何者なのか正確に特定することの難しさを示すエピソードだ。 ▼チャドウィックさんはWWIIでアメリカのマンハッタン計画にイギリスの科学者代表の形で協力する。中性子の専門家であると共に、国家プロジェクトの遂行力を備えた人物だった。 ▲ラザフォードさんらイギリス物理学者のライバル、イレーヌ・ジョリオ=キュリーさん。フランスの原子物理学者。人工放射性元素の発見で1935年のノーベル化学賞を夫のジョリオさんと共に受賞。 ▲ラザフォードさんらイギリス物理学者のライバル、フレデリック・ジョリオ=キュリーさん。フランスの原子物理学者。人工放射性元素の発見で1935年のノーベル化学賞を妻のイレーヌさんと共に受賞。

アルケーを知りたい(42) X線 X ray

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▼レントゲンさんが見つけた電磁波がX線。X線の波長は、1pm~10nm。昨日取り上げたガンマ線の波長は10pmより短い波長。ということは重なる波長域がある。同じ波長の電磁波だけど、生まれた由縁が違うと名前も違う。 ▼ガンマ線の発生は、放射性の原子核が崩壊するときエネルギーが高まった状態(励起状態)から電磁波を放出することで落ち着く、といった感じだ。質量数も原子番号も変わらない。お腹にガスがたまったので屁をこくイメージ。 ▼X線写真はビジュアルで分かりやすいので、発見当時ニュースで大いに盛り上がったという。先日、アメリカのフェルミ国立加速器研究所で行っているミュー粒子の実験で標準理論がゆらぐかも、というニュースがあった。このニュースは、手の骨格が写っているX線写真に比べると、私的には盛り上がりにくいのが残念。 ▲ヴィルヘルム・レントゲンさん。X線発見の功績で1901年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(41) ガンマ線 gamma ray

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▼今回は、原子核が崩壊するときに出てくる放射線トリオの最後、ガンマ線。 ▲1900年にガンマ線を発見したポール・ヴィラールさん。フランスの化学者・物理学者。3年後にラザフォードさんがヴィラールさんの見つけた放射線をガンマ線と名付けた。

アルケーを知りたい(40) ベータ粒子 beta particle

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▼27才のラザフォードさんがウランから2つの放射線が出ていることに気づき、アルファ線とベータ線と命名したのが名前の由来。 ▼なぜ崩壊するの? 地球が出来て100億年以上が経っているのになぜ放射性物質はなくならないの? 実験のとき少量の放射性物質を使うようだけど、電池のように切れることはないの? 無駄な疑問が出てしまう。 ▼そもそも、原子核の中でなぜ中性子が陽子に変わるの? そこは謎じゃ。 ▼ラザフォードさんは1937年、66才で死去。師匠のJ・J・トムソンさんは1940年、83才で死去。子弟の年齢は17年の差、逝去の年は3年の差。共にWWIIのイギリスの行方を見ないまま。 ▲ラザフォードさんの師匠(博士指導教員)のJ・J・トムソンさん。原子の姿をぶどうパンモデルに例えた。気体の電気伝導に関する理論および実験的研究で1906年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(39) アルファ粒子 alpha particle

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▼原子の構造がどうなっているのかを調べるときラザフォードさんが使ったのがアルファ線。アルファ線とはいったい何もの?ということで調べてみた。 ▼アルファ線はアルファ粒子の流れ。アルファ粒子とはヘリウム4の原子核。電子が2個ないので電荷は+2。アルファ粒子が人間の体内に入ると、体内細胞の電子が2個奪われて害をなす。 ▲1898年、ウランからα線とβ線が出ていることを発見したアーネスト・ラザフォードさん。ニュージーランド生まれの物理学者。元素の崩壊、放射性物質の化学に関する研究で1908年にノーベル化学賞を受賞。

アルケーを知りたい(38) 重力 gravitational interaction

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▼今回は4つの力(相互作用)の最後で重力。重力は重力子が媒介するという。その重力子はまだ発見されていない。 ▲古典力学の大家、万有引力の発見者、アイザック・ニュートンさん。イングランドの自然哲学者。

アルケーを知りたい(37) 電磁気力 electromagnetic force

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▼磁石が鉄を引き寄せたり、静電気が髪の毛を引き寄せる力を電磁気力と言う。4つの力(相互作用)の説明によると、これらの力を媒介するゲージ粒子が光子である。 ▼磁石の上に紙を置き、その上で砂鉄をまくと磁力線が現れる図は教科書でお馴染み。古典物理学の範囲。しかし、その磁力は光子が媒介している、という考え方は素粒子物理学の世界。 ▼果たして自分は、古典物理学アタマから素粒子物理学アタマに移れるのか? ・・・無理っぽいな。でもどんな言葉が出てきて、どういう話になっているのか、は知りたい。野次馬か(笑)。 ▲電磁場中で運動する荷電粒子が受ける力をローレンツ力という。その名前の元になったオランダの物理学者・ヘンドリック・ローレンツさん。放射現象に対する磁性の影響の研究で1902年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(36) 弱い力 weak interaction

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▼今回は自然界に働く4つの力(相互作用)の第2回。弱い力。弱い力を媒介するゲージ粒子はボゾン。スピンが整数の粒子だ。 ▼エンリコ・フェルミさんが理論を提唱。その後、紆余曲折を経て、CERNがウィークボゾンの存在を確認。その間、50年。 ▼弱い力が関係する現象にベータ崩壊がある。ベータ崩壊とは、ベータ線(電子、ベータ粒子)とニュートリノを放出する放射性崩壊。(ここでどのようにボソンが関わるのかは、ワカリマセン)。 ▲イタリアの物理学者、フランコ・ラゼッティさん。ピサ大学でエンリコ・フェルミさんと同期で親友、研究仲間。WWIIのため渡米、アメリカ市民になった。

アルケーを知りたい(35) 強い力 strong interaction

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▼自然界に働く力にどんなものがあるか、などと考えたことはなかった。しかし、現代物理学は、4つある、と論じている。「強い力」「弱い力」「電磁気力」「重力」だ。 ▼今回はまず「強い力」について。原子核の中にプラス電荷を持つ陽子同士がなぜ同居できているのか?という疑問があった。磁石でも同じ極だと反発するのと同じ。この疑問は古典物理学では解けないほどの難問だった。で、現代物理学の登場になる。 ▼強い力とは原子核の中の話。2種類ある。ひとつが陽子を結び付ける強い力で担い手は中間子。もうひとつがクォークを結び付ける強い力で担い手がグルーオン。 ▼では強い力はどこから湧いてくるのか? それは色荷(しきか、Color charge)という。ここから量子色力学の話になる。 ▼アルケーとしての素粒子が陽子や中性子だったら話は理解しやすかったのに。実は複合粒子で素粒子ではない、と分かってくるにつれて話がややこしくなる。色?はあ?って感じ(笑)。 ▲素粒子の強い力を研究した南部陽一郎さん。日本生まれで49才のときアメリカ市民になった理論物理学者。自発的対称性の破れの発見で2008年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(34) ヒッグス粒子 Higgs boson

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▼平尾物理によると「弱い力を媒介するゲージ粒子はウィークボゾンと呼ばれる。ウィークボゾンは電磁気力のゲージ粒子である光子とは異なり、0でない質量を持つ。この質量を説明する過程(ヒッグス機構)で新たな粒子が登場する。その粒子はヒッグス粒子と呼ばれる」(平尾淳一「総合的研究 物理」旺文社、2018年、p.723) ▼力を媒介する粒子をゲージ粒子という。ゲージ粒子には、弱い力を媒介するウィークボゾン、強い力を媒介するグルーオン、電磁気力を媒介する光子がある。 ▼ゲージ粒子を質量で見ると、光子やグルーオンには質量がない。ウィークボゾンはわずかながら質量がある。この質量はどこから生まれてくるものか。それを調べたのがピーター・ヒッグスさん。ヒッグスさんが提唱した理論の中にヒッグス粒子が出てくる。 ▼理論の提唱からヒッグス粒子の発見まで50年近くの年月を要した。 ▲ヒッグス粒子のピーター・ヒッグスさん。イギリスの理論物理学者。質量の起源の理解につながる機構の発見で2013年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(33) フェルミ粒子 Fermion

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▼フェルミ粒子はボーズ粒子と同じく、粒子をスピンで分類したときの名前。電子や陽子など、フェルミ統計に従う素粒子をフェルミ粒子という。 ▼フェルミ統計は、1926年にエンリコ・フェルミさんが発表した理論。電子の振る舞いにパウリの排他原理を導入した新しい統計力学。世界的な名声を得た。 ▼パウリの排他原理は、2つ以上のフェルミ粒子は、同一の量子状態を占めることはできない、というもの。ボース粒子は、複数の粒子が同一の量子状態を占めることがある。 ▼陽子、中性子、電子などお馴染みの粒子はフェルミ粒子。陽子と中性子は原子核を構成している。これは同一の量子状態とは言わないようだ。電子も同じ軌道に複数の電子が存在する。これも同一の量子状態とは言わない。量子状態とは「量子論で記述される系(量子系)がとる状態のこと」という説明がWikipediaにある。この説明が分かれば苦労はないね。 ▲フェルミ粒子の名前の由来になったエンリコ・フェルミさん。イタリアの物理学者。中性子衝撃による新放射性元素の発見と熱中性子による原子核反応の発見で1938年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(32) ボーズ粒子 Boson

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▼量子物理学では粒子にスピンという量を定義する。スピンは整数か、奇数の1/2倍の値を取る。前者はボーズ粒子、後者はフェルミ粒子という。 ▼分かりにくい。なぜ分かりにくいかも、分かりにくい。ゆっくり進もう。 ▲アインシュタインさんに送った論文「プランクの放射法則と光量子仮説」が高く評価されたインドの物理学者、サティエンドラ・ボースさん。

アルケーを知りたい(31) クオーク q: quark

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▼原子が原子核と電子から成り、さらに原子核は陽子と中性子(バリオン)、中間子(メゾン)のハドロンから構成されて、これらが素粒子だと思われていた時期もあった。しかし、研究が進むとハドロンも素粒子ではなく、内部構造を持つ粒子であることが分かった。 ▼ハドロンの内部を構成する粒子の名前がクォーク。いまや素粒子の中でも超有名な存在。 ▼ハドロンは3つのクォークで構成され、グルーオンがクォーク同士を結び付けている。この関係は原子核が3つの核子で構成され、中間子が陽子同士を結び付けているのと似ている。マトリョーシカみたい。 ▲クォークの命名者マレー・ゲルマンさんとは別にエースという名前で素粒子モデルを提案したジョージ・ツワイクさん。モスクワで生まれたアメリカ合衆国の物理学者。 ▲ハドロンが3種類の粒子からなるモデルを提案したユヴァル・ネーマンさん。イスラエルの物理学者。

アルケーを知りたい(30) グルーオン g: gluon

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▼グルーオンは3つのクォークを結び付けて陽子や中性子を作る働きをする素粒子。別の言い方にすると、陽子や中性子はクオーク3つから出来ている。クォーク同士を強い力で結び付ける役割をしているのがグルーオン。 ▼グルーオンは、力を媒介する粒子だからゲージ粒子。スピンが1なのでボーズ粒子。 ▼グルーオンは色荷(カラー)という量子数を持つ。その違いで8種類のグルーオンがある。 ▲グルーオンを理論化したマレー・ゲルマンさん。アメリカの物理学者。素粒子の分類およびその相互作用に関する発見で1969年にノーベル物理学賞を受賞。

アルケーを知りたい(29) ウィークボソン weak boson

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▼ウィークボゾンは、粒子間に働く力を媒介するゲージ粒子のメンバー。仲間に光子やグルーオンがいる。 ▼下の表に「私がまだ理解できない説明」という項目があるけど、この表全体が理解できない。どこが分からないのかが分からない状態。物質を構成する粒子は分かる。でも粒子間に働く力を媒介する粒子、という説明が謎。謎のゲージ粒子。ウィークボゾンはそのメンバーなので、謎・謎です。 ▲Wボソンを理論化したジュリアン・シュウィンガーさん。アメリカの理論物理学者。 1965年、量子電磁力学の分野における基礎研究の功績でノーベル物理学賞を受賞。 ▲シュウィンガーさんの弟子。Zボソンを理論化したシェルドン・グラショーさん。アメリカの理論物理学者。電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献で1979年のノーベル物理学賞を受賞。 ▲エンリコ・フェルミさんの弟子。Zボソンを理論化したスティーヴン・ワインバーグさん。アメリカの物理学者。電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献で1979年のノーベル物理学賞を受賞。 ▲Zボソンを理論化したアブドゥッサラームさん。パキスタンの物理学者。電磁相互作用と弱い相互作用の統一理論への貢献で1979年のノーベル物理学賞を受賞。