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アルケーを知りたい(82) 光の波動説 wave theory of light

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▼光の波動説をWikipediaで調べてみた。光は波なんじゃないか、という説は1690年にホイヘンスさんが提起している。1704年にはニュートンさんが粒子説を出している。 ▼1700年前後の段階で光の波動説、粒子説が出そろった。以後、200年に渡って天体観測や地上での実験が積み重なる。量子力学という古典力学がカバーできない範囲をカバーする新しい学問が出てくる。で、量子力学は、光が波動と粒子の両方の性質を持つ、と結論を出す。 ▼ホイヘンスさんは光が波ならば波を伝える媒質がないとおかしい。そこでエーテルと名付けた。量子力学では、エーテルとは言わず、場という。 ▼以下、独り言。私は真空が何なのか分からなくなっている。原子核と電子の間の膨大な空間は真空だという。真空だらけの原子が集まったらなぜ確固として物質になるのか、つながりが分からん。宇宙は真空の中に星がある。真空の中を光はどうやって伝わるのか、エーテルを場と言い換えても、分からんなあ。アルケーを知りたい。 ▲フランソワ・アルゴさん。フランスの天文学者、物理学者、政治家。たくさんのプロジェクトを行った人で、フレネルさんと光学研究もその一つ。ピエール=シモン・ラプラスさん(数学)、ゲイ=リュサックさん(化学者)、ジャン=バティスト・ビオさん(天文学者)らとの研究がある。

アルケーを知りたい(81) 偏光 polarization

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▼波には縦波と横波がある。音は縦波、光は横波。太陽光はいろんな横波が混じり合っている。偏光フィルターで一方向だけの波にすると反射光をカットして水中やガラス窓の中がよく見えるようになる。 ▼横波のイメージを掴むには、Wikipediaの「縦波と横波」と「偏光」のアニメーションが参考になる。 ▼ホイヘンスさんやトマス・ヤングさんと共に光の波動説の立場。しかし二人が光を縦波と考えていたのに対し、フレネルさんは横波であることを証明した。 ▲光が横波であると主張したフレネルさん。本業は土木技師、その傍らで光の実験を重ねる。薄くて効率の良い灯台用のフレネルレンズの開発者。

アルケーを知りたい(80) ヤングの実験 Young's interference experiment

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▼ヤングの実験。二重スリットを使ったヤングの実験は、その後の物理実験の定番。単純な仕掛けなのに、その仕掛けを通すとそれまで見えなかった性質が現れる。しかも200年経っても実験に使われる。 ▲ヤングの実験で光の波動説を唱えたトマス・ヤングさん。医学では色覚、音楽ではヤング音律という古楽器のチューニング法、物理ではヤング率、語学ではラテン語やギリシア語に通じたマルチタレント。

アルケーを知りたい(79) スペクトル spectrum

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▼スペクトル。原子の特徴を見る時に出てくる用語であるし、使われ方もいろいろ。そのため、いまひとつこの語の持つ意味がよく分からない用語だったので、すっきりするために調べてみた。 ▼日本語でスペクトルというのに、なぜ英語はspectrumなのか? その理由は次のとおり:日本語のスペクトルはフランス語のspectreが由来。spectreは、ラテン語のスペクトルムspectrumが語源。英語のスペクトラムspectrumもラテン語が語源。 ▼平尾物理では「光の基本性質」の箇所で「プリズムによって分けられた色の成分の強度分布をスペクトルという」(p.354)と説明がある。 ▼英和辞典のspectrumには光学、(電波・音波などの)範囲、(変動する)範囲、(活動などの)領域、という説明がある。 ▼広辞苑では、スペクトルを次のように解説している。 ①光を分光器にかけて得られる、波長とその波長における強さを示したもの。その形によって、連続スペクトル・線スペクトル・帯スペクトルに分ける。 ②複雑な組成のものを成分に分解し、その成分を特定な量の大小に従って順次配列したもの。「音響-」「抗菌-」 ▲太陽光のスペクトルから赤外線の存在を見つけたウィリアム・ハーシェルさん。音楽家で天文学者(最高やん、て感じ)。

アルケーを知りたい(78) うなり Beat (acoustics)

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▼うなり。平尾物理の318ページには、うなりの解説と共にJ・S・バッハ先生の平均率クラヴィーア曲集の話題がある。 ▼今の時代、ギターのチューニング(調律)はデジタル・デバイスでスマートに行う。私は共鳴箱のついた440Hzの音叉で行う。音叉の音とギターのラの音を同時に鳴らしてうなりがなくなるように調整する。これが下の表のうなりの周期Tの式でやっていることと重なって、うれしい。 ▲音楽の父、バッハ先生。YouTubeのピアノ伴奏で「主よ、人の望みの」と「G線上の」をギターで毎日弾かせていただいております。

アルケーを知りたい(77) ドップラー効果 Doppler effect

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▼ドップラー効果。日常でもドラマでも、相手が近づいたり離れていく様子は音の変化で分かる。 ▼夜、ヘッドライトを点けた救急車がサイレンを鳴らして走っているとする。光も音も波なのでドップラー効果が効いている。音の変化は分かる。しかし、ヘッドライトの色の変化は分からない。 ▼気温20度のとき音速は344m/s。一方、光は300×10の6乗m/s(但し真空中)。救急車が時速40kmとして、秒速にすると11m/s。これを見て、夜間の救急車のドップラー効果が音に出て光に出ない、と納得。 ▲ドップラー効果のクリスチャン・ドップラーさん。ドップラーさんが天文観察を行っていたところ、2重星(肉眼では一つの星に見えるけど実は2つの星)の色変化でドップラー効果に気づいたという。我われが日常の光でドップラー効果を感じることはなく、やはり音だ。

アルケーを知りたい(76) 音速 speed of sound

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▼前回まで15回にわたって熱学に触れた。今回から波動をやってみる。最初は音速。空気中で音が伝わる速さは、温度に関係する。温度が0℃のとき、音速は331.5m/s。これは時速にすると1193.4km/h。 ▼この計算は、mをkmに、秒を時間に変換する必要があるので面倒。単位変換プログラムが欲しくなる。 ▼高度が100m上がるごとに気温は0.6℃下がる。この条件を加味すると地上1万メートルを飛ぶ飛行機の音が地上に届く時間の計算など、一筋縄ではいかなくなりそうだ。 ▼雷の音が聞こえてから秒数を数え、331.5を掛けると雷までの距離が測れる、という。この場合、温度の補正はしてないことが分かる。 ▲音速=マッハの名前の元になったエルンスト・マッハさん。マッハさんは空中を飛ぶ弾丸が引き起こす衝撃波を写真に収めた。ビジュアルで見せられるとものすごく納得できる。 マッハさんの少し詳しい年表は次でも見られます: https://first.gakuryokuup.com/%e3%83%9e%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82%e8%80%85%ef%bc%8811%ef%bc%89%e9%9f%b3%e9%80%9f%e3%81%ae%e3%83%9e%e3%83%83/

アルケーを知りたい(75) ゲイ=リュサックの法則 Gay-Lussac's law

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▼ゲイ=リュサックの法則は、シャルルさんが1787年に気体の温度・圧力・体積の関係を研究した。その結果を、ゲイ=リュサックさんが15年後の1802年に法則化したもの。 ▼発見者がシャルルさんだったので、シャルルの法則と呼ばれている。 ▼ゲイ=リュサックさん。ビオさんと熱気球で大気調査、フンボルトさんと気体反応の法則を発見、ルイ・テナールさんとホウ素の単離に成功するなど、共同研究で成果を上げた科学者。 ▼少し詳しい年表は下記をご覧ください。 https://first.gakuryokuup.com/%e5%ad%90%e4%be%9b%e6%99%82%e4%bb%a3%e3%81%ae%e5%ad%a6%e3%81%b3%e6%96%b9%e3%80%80%e3%82%b2%e3%82%a4%ef%bc%9d%e3%83%aa%e3%83%a5%e3%82%b5%e3%83%83%e3%82%af%e3%80%80%e9%80%86%e5%a2%83%e3%82%92%e6%a5%bd/

アルケーを知りたい(74) 熱力学第二法則 second law of thermodynamics

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 ▼熱力学第二法則。熱の変化は一方的でもとには戻らない。言っていることが「覆水盆に返らず」に似ている。 ▼熱力学の法則は、一人の科学者が見つけたものというより、複数の科学者が独自の考え方と方法で到達したもの。どの国でどんな言語でどんなネットワークで活動していたか、という点も業績の認知で重要だ。 ▲物理学に統計学を導入し、化学熱力学の基礎を築いたウィラード・ギブズさん。アメリカの数学者。

アルケーを知りたい(73) 熱力学第一法則 first law of thermodynamics

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 ▼熱力学第一法則を調べてみた。平尾物理によると「この法則はあらゆる物質の状態変化において成り立つ基本原理である(と信じられている)」と説明されている。力学においては、物体の運動エネルギーの変化は外力によってなされた仕事に等しい」。 ▼これを解釈すると、姿かたちは変わっても、もとのあなたなのよね、という感じじゃないかな。 ▲熱力学第一法則・第二法則を定式化し、エントロピーの概念を導入したルドルフ・クラウジウスさん。ドイツの物理学者。

アルケーを知りたい(72) 統計力学 statistical mechanics

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▼高校物理の熱学分野の話のあちこちで統計熱学の概念が出てくるようなので、今回は統計熱学について調べてみた。Wikipediaの統計熱学の説明は「系の微視的な物理法則を基に、巨視的な性質を導き出すための学問」である。ここでの解釈:ひとつひとつの原子や分子の物理的な振る舞いをベースに、例えば気体などのまとまりとして現象を表したときの性質を研究する学問、とする。 ▼物理や化学で扱う話題は、先人が何らかの現象を見て「なぜこうなるのか?それはこうだからではないか?」という自分の考えを論文にし、それが受け入れられたり対立したりの長い時の試練を経て、教科書に載っている。 ▼ボルツマンさんは原子論を支持していたので、反対するマッハ先生と対立して一時ウィーン大学を出るまでになる。結局、物理学は原子論を受け入れることになる。 ▼それでも教科書を見てなぜ?と疑問を持つ箇所は多々ある。だが高校時代にそれをやっていると進まなくなる。高校時代の物理・化学の学び方は、なにはともあれ説明の理屈を理解し、過去問を解けるようにする、ことだと私は考える。その結果、知識量が増え、大学入試対策になる。高校時代にいちいち疑問を持ってひっかかっていると進まなくなる。疑問をもってじっくり考えるのは大学入試を終えた後にすれば良い。 ▲ルートヴィッヒ・ボルツマンさん。ウィーンの物理学者。子供時代、ピアノの先生はブルックナーさんだった。さすがウィーン。この時代の物理学者はボルツマンさんのように大学で哲学を教える人がいる。物理と哲学?どういう関係だったのか知りたくなる。

アルケーを知りたい(71) ブラウン運動 Brownian motion

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▼ブラウン運動。元は植物学の観察結果。空中の煙の粒子の動きなどランダムな運動のこと。分子の運動は目で見られない。でも分子が微粒子に衝突した結果、微粒子が運動すると、それは目で観察できる。 ▲ロバート・ブラウンさん。スコットランドの植物学者。採集した花粉を水に浸けて観察していると、浸透圧で花粉の中から出てきたデンプン粒子がランダムな運動をするのに気付いた。これを論文で発表。40数年経ってからアインシュタインさんが運動の謎を解明。

アルケーを知りたい(70) アボガドロ定数 Avogadro constant

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▼アボガドロ定数。意味は、陽子1個分に相当する質量1uの粒子1g(10マイナス3乗kg)・・・①に含まれる粒子の数。 質量1uは1.66×10のマイナス27乗kg・・・② ①が1gの中に含まれる数は①÷②で求まる。 ▼アボガドロ定数は6.02×10のマイナス23乗。これが1モル。1モルは1gに含まれる質量1uの粒子の数。 ▼これが分かったとして、1リットルの水の分子の数はどうやって求めるか。解説は平尾物理のp.241にある。(腑に落ちるまで理解できないので自分の言葉で表現できない・・・苦) ▲アボガドロ数の発見者、アメデオ・アヴォガドロさん。「アボガドロは、物質をつくる基本粒子としての原子と、物質がその固有の性質を失わない最小単位としての分子の区別を明確にした」(卜部化学) アボガドロの法則:すべての気体は、同温・同圧のとき、同体積中には同数の分子を含む。(これも昔から腑に落ちない話で・・・困るのう・・・)

アルケーを知りたい(69) モル mole

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 ▼物質量の単位・モル。自分は苦手だったので、これはどのように理解すれば良いだろうか。卜部化学の解説が分かりやすかったので紹介する。 ▼原子や分子のように微小な粒子は一個一個の扱いは難しいので、集団にして扱う。例えば、鉛筆やビール12本をまとめて1ダースという。それと同じように分子や原子6.02×10の22乗個をまとめて1モルという。 ▼この個数を出すのに、卜部化学では原子番号12のCの12グラム中に含まれる炭素原子の数で計算している。平尾物理では1uの集合体1グラムに含まれる粒子の数で計算している。「原子番号12のCの12グラム」は「原子質量単位12uのCの12グラム」ということで、1uの粒子1グラムに相当。だから、両者は同じことを違う表現をしていた、と分かる。 ▼6.02×10の22乗という数字のことをアボガドロ数という。モルと数字の関係は、ダースと12本の関係で比較して理解できる。けど、モル・数字・アボガドロ数のような三者関係はダース・12本・?となって、存在しない。だから自分は分かりにくかった、と分析しました。 ▲モルの名付け親のヴィルヘルム・オストヴァルトさん。ロシア生まれ、ドイツの物理化学者。ボルツマン定数のボルツマンの不遇時代の2年間、自分の大学(ライプツィヒ大学) の教授として遇するなど仲間思い。

アルケーを知りたい(68) 国際単位系 International System of Units

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▼いろいろな単位が出てくるので、ここで一度確認しておく。国際単位系には基本単位と組立単位がある。 ▼基本単位は7種類。世界は7種類の単位で測られる。お馴染みの長さのメートル、質量のキログラム、時間の秒らがある。日常では使わなかったケルビンやモルも基本単位だった。 ▼組立単位はたくさんある。表には平尾物理のp.733から一部を載せた。 ▲オランダの数学者、クリスティアーン・ホイヘンスさん。 振り子時計を初めて製作。実験用の2秒間隔の振り子の長さが997mmだった。この長さをイギリスの建築家、クリストファー・レンさんが標準にしようと提案、1668年にイギリスで受け入れられたのがメートルを定める始まりという。メートルという語は、物差しの意の古代ギリシャ語のメトロンに由来。 

アルケーを知りたい(67) 原子質量単位 atomic mass unit

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▼原子質量単位は原子番号6、質量数12の炭素原子の質量の12分の1で計算したもの。陽子6個と中性子6個の重さを足して12で割ったもの。単位はu ▼原子番号1、質量数1の水素原子は陽子が1、中性子は0。陽子と中性子は重さがほぼ等しいので、水素原子を1uとしても良さそうなものだ。炭素原子にしたのにどんな背景があるのだろう。知りたい。計算すると、数字が合わない。アボガドロ数を使わなかったからだろうか。調べてみる。 ▼表ではATOMICAの説明を引用した。ATOMICAは国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構が運営する「原子力に関連する幅広い情報を提供するインターネット上の百科事典」。 ▲ジョン・ドルトンさん。イギリスの化学者、物理学者。原子説の提唱者。ジェームス・ジュールさんが子供時代の3年間、家庭教師として科学や数学を教えた。

アルケーを知りたい(66) ボイル・シャルルの法則 combined gas law

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 ▼実験マニアのボイルさんとシャルルさんの功績を一つの式にまとめたのがボイル・シャルルの法則。 ▼軽い水素を使えば気球を上げられる、であればガスを多くすれば人が気球に乗って空を飛べる・・・当時だったらそんなとてつもない仮説を実現したのがシャルルさんという人。 ▲シャルルさんの水素気球を製作し初飛行も行ったロベール兄弟の弟、ニコラ=ルイ・ロベールさん。気球の製作資金は、パリの富裕層を対象に飛行の瞬間を目撃できる特別席を前売りして調達。今でいうクラウドファンディング。

アルケーを知りたい(65) シャルルの法則 Charles's law

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▼シャルルさんは、一定量の気体は温度が1℃上昇すると体積が1/273ずつ増加する関係を見つけた。ということはマイナス273℃にすると気体の体積は限りなくゼロに近くなる。 ▼一定量の気体の分子の数は温度と関係なく一定なので、体積が変化するということは分子と分子の間が増えたり減ったりすることによる。では、分子と分子の間で増減するやつはいったい何なの? 参考書に容器に閉じ込められた気体の分子が動いている図がある。あの図の分子を表す点以外の空白は何なの?  ▲「シャルルの法則」のジャック・シャルルさん。この法則は実体をシャルルさんが発見し、時が経ってゲイ=リュサックさんが「シャルルの法則」として発表した。先人の発見に敬意を表す姿勢が素晴らしい。シャルルさんは仮説があったら実験で実証する実験物理学者そのもの。水素気球を作って実際に飛ぶんだから、すごい行動派。  

アルケーを知りたい(64) ジュール joule

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▼仕事の単位、ジュール。単位の語源のジュールさんは、想像を超える高い精度の実験を積み重ねた人物。 ▲ジェームズ・ジュールさん。イギリスの物理学者。自宅の実験室でけた違いの精度で測定していた。だから水の中で羽根車を回して、運動エネルギーが水の温度を上昇させる検証ができた。私は高校時代に水中で羽根車を回す実験の話を聞いたとき、そんなことで水の温度が上がるわけがないやん、と思っていた。1800年代の実験だから大雑把で大したことはできなかっただろう、という思い込んでいたのが間違いだった。

アルケーを知りたい(63) カロリー calorie

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 ▼今回はカロリーの話。1気圧のもとで1gの水の温度を1度上げるのに必要な熱量。体のシェイプアップを意識している人にはおなじみの用語。 ▲カロリーを提唱したニコラ・クレマンさん。フランスの物理学者・化学者。2才年上のシャルル・デソルムさんと共同研究を行う。ヨウ素が元素であること、ヨウ素の研究が写真の発明につながること、絶対零度の値の決定などの功績を残した。 サディ・カルノーさん(左)とは先進的なエネルギーの研究を行った。

アルケーを知りたい(62) 絶対温度 absolute temperature

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▼絶対温度。単位はケルビン。平尾物理によると「絶対温度では、水の3重点の温度を273.16Kと定義している。3重点とは、固体・液体・気体が共存する状態」という。 ▼新型コロナを疑う体温は37.5℃なので、これを絶対温度に換算してみよう。273を足せば良いので310.5Kだ。・・・ん? だからなに? という声が聞こえる。 ▲ケルヴィン卿ウィリアム・トムソンさん。イギリスの物理学者。温度単位ケルビン(K)の祖。 42才のとき大西洋横断電信ケーブルの敷設を成し遂げた。

アルケーを知りたい(61) セルシウス温度 Celsius temperature

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▼アルケーを知るには必須の知識なので、今回から熱学の基礎知識を10数回にわたって収集する。最初は温度単位、記号℃の摂氏。摂氏とはセルシウス温度のこと。セルシウス温度の語源は、スウェーデンの天文学者アンデルス・セルシウスさんだった。 ▲アンデルス・セルシウスさん。スウェーデンの天文学者。世界初の実用的温度計を提唱。この時点でセルシウスさんは目盛りを水の沸点が0度、氷点を100度としていた。氷点0度、水の沸点100度に改められたのはセルシウスさんの死後。記号は℃。

アルケーを知りたい(60) 万有引力 universal gravitation

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▼万有引力。すべてのものはお互いに力を及ぼし合っているという考え方。自然界の4つの力のひとつ。力の源泉は質量、到達距離は無限。 ▲エドモンド・ハレーさん。ハレー彗星で名高いイギリスの天文学者。26才のときケプラーの法則を証明する相談のため、14才年上のニュートンさんを訪問。話をするうちニュートンさんはすでに証明を終えていることを知り、すぐ出版を勧めた。ところが出版元の王立協会が資金難だったため、見かねたハレーさんが出版費用を肩代わりした。こうして世に出たのが『プリンキピア』。

アルケーを知りたい(59) ケプラーの法則 Kepler's laws of planetary motion

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▼20年以上にわたる正確な天体観測データを残したティコ・ブラーエさん、そのデータから法則を見出したヨハネス・ケプラーさん。25才違いの二人が成し遂げた科学史上の大成功例。 ▲「ケプラーの法則」のヨハネス・ケプラーさん。ドイツの天文学者。晩年のティコ・ブラーエさんが蓄積した天体観測データを解析し、惑星の軌道が太陽を焦点とする楕円運動であることを発見(第1法則)する。

アルケーを知りたい(58) 楕円軌道 elliptical orbit

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▼楕円軌道。ティコ・ブラーエさんが長年にわたる天体観測データをヨハネス・ケプラーさんが解析して導き出した結論。天体の運動は円と思っていたら楕円だった。 ▼データに対する信頼性と解析結果に自信がないと言い出せない結論。平尾物理のコラムにはケプラーさんと共にティコ・ブラーエさんが載っている(p.218)。 ▲ティコ・ブラーエさん。デンマークの天文学者。レンズを使わないで天体観測を行った。高精度の天体観測データを残し、ケプラーさんに解析を託した。