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万葉集巻第7_1176番歌(夏麻引く海上潟の)~アルケーを知りたい(1995)

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▼わあわあと騒がしい鳥の声は聞こえて来るけど、肝心の方からの連絡はない・・・という歌。分かるわ、この感じ。鳥の騒ぐ声が「君は音もせず」を際立たせる。じゃあ鳥たちの姿は見えるけど静かだったらどうか。鳥は見えれど君は現れもせず、だな。どちらにしても連絡がなくて寂しい思いをしている人の気持ちだ。 夏麻 (なつそ) 引く海上潟 (うみかみがた) の沖つ洲 (す) に 鳥はすだけど君は音 (おと) もせず  万1176 *海上潟の沖の洲に鳥が騒いでいるが、貴方からは何の連絡もない。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1175番歌(足柄の箱根飛び越え)~アルケーを知りたい(1994)

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▼今回の歌の場所は、 神奈川県の足柄下郡の箱根町。箱根で大和を思い出すという歌だが、では大和とはどこ? 奈良県天理市に大和神社があるので、そのあたりだろう。家から遠く離れた旅の途中、空を悠々と飛ぶ鶴が見える。いいなあ、と。家のある大和が偲ばれるよなあ、と。 足柄の箱根飛び越え行く鶴 (たづ) の 羨 (とも) しき見れば大和し思ほゆ  万1175 *箱根を飛び越える鶴が羨ましい。見ると大和を思い出す。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1174番歌(霰降り鹿島の崎を)~アルケーを知りたい(1993)

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▼今回の歌の日、千葉の銚子にあたりの「鹿島崎」の海は波が高かったのだなー、と分かる歌。太平洋に利根川が流れる河口だし、見物したいのに残念という作者の気持ちが伝わる。 霰 (あられ) 降り鹿島の崎を波高み 過ぎてや行かむ恋しきものを  万1174 *鹿島崎は霰が降り波が高いので、残念だがこのまま通り過ぎよう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1173番歌(飛騨人の真木流すといふ)~アルケーを知りたい(1992)

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▼万葉時代、飛騨産の材木は丹生川を流して運んでいたようだ。今回は、川で材木を流す職人が声をかけあう様子を詠ったもの。言葉は交わすが、舟は通わない、という締め方を眺めていると、この作者は、「通う」と「通はぬ」を対にしたかったのだな、という気がする。通うのは真木なんだが、通はぬものを何にしようか・・・ええい、舟にしておこう的な(笑)。 飛騨人 (ひだひと) の真木流すといふ丹生 (にふ) の川 言 (こと) は通へど舟ぞ通はぬ  万1173 *飛騨の人が真木を流すという丹生川。会話は交わせるが、舟は通わないのだ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1172番歌(いづくにか舟乗りしけむ)~アルケーを知りたい(1991)

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▼琵琶湖を見ていたら舟が目についた。どこから来たのだろう、という歌。別にどこから来ても構わない話なんだが、こうやって歌にすると風情が感じられる。WhoもWhenもWhyもないのに。 いづくにか舟乗りしけむ高島の 香取の浦ゆ漕ぎ出来 (でく) る舟  万1172 *どこから舟を出してきたのだろう。高島の香取の浦を漕ぎ進めている舟は。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1171番歌(大御船泊ててさもらふ)~アルケーを知りたい(1990)

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▼この歌の「渚し思ほゆ」が響くわーと思ふ。渚は、波うちぎわ。海と陸が接するアナログ的な場所。干潮になれば陸、満潮になれば海。 高島の三尾の勝野は、現在の滋賀県高島市。海とは琵琶湖のことだったのだ。 大御船 (おほみふね) 泊 (は) ててさもらふ高島の 三尾の勝野の渚し思ほゆ  万1171 *大君が乗船する船が停泊したという高島の三尾の勝野の渚のことを思います。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1170番歌(楽浪の連庫山に)~アルケーを知りたい(1989)

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▼あの山の上に雲が出ると雨が降る、とか、月に笠がかかると雨になる、とか聞いたことがある。今回は、その元祖のような歌。 楽浪 (ささなみ) の連庫山 (なみくらやま) に雲居れば 雨ぞ降るちふ帰り來我が背  万1170 *楽浪の連庫山に雲がかかっています。雨になりますから私の夫よ、お帰りください。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7