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万葉集巻第7_1178番歌(印南野は行き過ぎぬらし)~アルケーを知りたい(1997)

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▼今回は舟から見た風景の歌。舟から見える風景は、印南野→日笠浦と変化するようだ。この歌を見ると、作者は どうやら 印南野を見過ごしたらしいことが分かる。見過ごしても歌にできるんだから、大したもんだ。 印南野 (いなみの) は行き過ぎぬらし天伝 (あまづた) ふ 日笠 (ひかさ) の浦に波立てり見ゆ   一には「飾磨江 (しかまえ) は漕ぎ過ぎぬらし」といふ  万1178 *印南野を通り過ぎたようだ、日笠の浦で波が立っているのが見えるから。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1177番歌(若狭にある三方の海の)~アルケーを知りたい(1996)

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▼いつも参考にしている『』万葉百科 』 によると「若狭にある三方の海」は 福井県の西南部、三方郡の若狭湾沿岸のこと。地図を見ると美浜の地名が見える。浜が清らかで、何度行ったり来たりして見ても飽きないのだろう。三方の地名が美浜の文字のインパクトで「美方」に見えてしまうほど。 若狭にある三方 (みかた) の海の浜清み い行き帰らひ見れど飽かぬかも  万1177 *若狭にある三方の海の浜はとても清らかなので、行ったり来たり繰返し見て飽きない。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1176番歌(夏麻引く海上潟の)~アルケーを知りたい(1995)

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▼わあわあと騒がしい鳥の声は聞こえて来るけど、肝心の方からの連絡はない・・・という歌。分かるわ、この感じ。鳥の騒ぐ声が「君は音もせず」を際立たせる。じゃあ鳥たちの姿は見えるけど静かだったらどうか。鳥は見えれど君は現れもせず、だな。どちらにしても連絡がなくて寂しい思いをしている人の気持ちだ。 夏麻 (なつそ) 引く海上潟 (うみかみがた) の沖つ洲 (す) に 鳥はすだけど君は音 (おと) もせず  万1176 *海上潟の沖の洲に鳥が騒いでいるが、貴方からは何の連絡もない。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1175番歌(足柄の箱根飛び越え)~アルケーを知りたい(1994)

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▼今回の歌の場所は、 神奈川県の足柄下郡の箱根町。箱根で大和を思い出すという歌だが、では大和とはどこ? 奈良県天理市に大和神社があるので、そのあたりだろう。家から遠く離れた旅の途中、空を悠々と飛ぶ鶴が見える。いいなあ、と。家のある大和が偲ばれるよなあ、と。 足柄の箱根飛び越え行く鶴 (たづ) の 羨 (とも) しき見れば大和し思ほゆ  万1175 *箱根を飛び越える鶴が羨ましい。見ると大和を思い出す。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1174番歌(霰降り鹿島の崎を)~アルケーを知りたい(1993)

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▼今回の歌の日、千葉の銚子にあたりの「鹿島崎」の海は波が高かったのだなー、と分かる歌。太平洋に利根川が流れる河口だし、見物したいのに残念という作者の気持ちが伝わる。 霰 (あられ) 降り鹿島の崎を波高み 過ぎてや行かむ恋しきものを  万1174 *鹿島崎は霰が降り波が高いので、残念だがこのまま通り過ぎよう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1173番歌(飛騨人の真木流すといふ)~アルケーを知りたい(1992)

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▼万葉時代、飛騨産の材木は丹生川を流して運んでいたようだ。今回は、川で材木を流す職人が声をかけあう様子を詠ったもの。言葉は交わすが、舟は通わない、という締め方を眺めていると、この作者は、「通う」と「通はぬ」を対にしたかったのだな、という気がする。通うのは真木なんだが、通はぬものを何にしようか・・・ええい、舟にしておこう的な(笑)。 飛騨人 (ひだひと) の真木流すといふ丹生 (にふ) の川 言 (こと) は通へど舟ぞ通はぬ  万1173 *飛騨の人が真木を流すという丹生川。会話は交わせるが、舟は通わないのだ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1172番歌(いづくにか舟乗りしけむ)~アルケーを知りたい(1991)

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▼琵琶湖を見ていたら舟が目についた。どこから来たのだろう、という歌。別にどこから来ても構わない話なんだが、こうやって歌にすると風情が感じられる。WhoもWhenもWhyもないのに。 いづくにか舟乗りしけむ高島の 香取の浦ゆ漕ぎ出来 (でく) る舟  万1172 *どこから舟を出してきたのだろう。高島の香取の浦を漕ぎ進めている舟は。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7