万葉集巻第6_1011-1012 番歌(我がやどの梅咲きたりと)~アルケーを知りたい(1850)
▼「梅が咲いた」と告げる。これは 「集まれ」という意味だから、花は散っても構わないのだ、という1011番。その知らせを貰ったとき「こちらでは桜が咲きました」と返信するのは野暮、ということになる。言外の意を汲むのは難しい。その点、次の1012番は「わが家にやまず通はせ」と分かりやすい。 冬の十二月の十二日に、歌儛所の諸王・臣子等、 葛井連広成 が家に集ひて宴する歌二首 此来、古儛盛りに興り、古歳漸に晩れぬ。 理に、ともに古情を尽し、同じく古歌を唱ふべし。 故に、この趣に擬へて、すなわち古曲二節を献る。 風流意気の士、たまさかにこの集ひの中にあれば、争ひて念を発し、心々に古体に和せよ。 我がやどの梅咲きたりと告げ遣らば 来と言ふに似たり散りぬともよし 万1011 *我が家の梅が咲いたぞと伝えるのは遊びにおいでと言うことなので、花は散っても構わないのだ。 春さればををりにををりうぎひすの 鳴く我が山斎ぞやまず通はせ 万1012 *春になれば梅の花がぎっしりと咲き、ウグイスは鳴きます。そんな我が家にお通いください。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6