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万葉集巻第7_1201番歌(大海の水底響み)~アルケーを知りたい(2035)

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▼磯に打ち寄せる波の歌。磯とは水際で特に岩の多い所。「さやけさ」と詠っているけど、響み立つ波は、怖くもある。しかも大海の水底まで響かせるような波であればなおさら。でも怖い、ではなく、さやけさで締めているので、むしろ神々しさを感じる。磯は結界なんだ。 大海の水底 (みなそこ) 響 (とよ) み立つ波の 寄せむと思へる磯のさやけさ  万1201 *大海の水底まで響くように波が打ち寄せる磯の、何とさわやかなことでしょう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1200番歌(我が舟は沖ゆな離り)~アルケーを知りたい(2034)

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▼舟に乗って落ち合う、という話の歌。岸辺で逢うのだから、あまり沖に出ないように、と船頭に注文している歌。こういう経験がないものだから、最初はこの歌で何を言っているのか分からなかった(笑)。自分の経験に照らし合わせて理解しようとするとすぐ限界に来る(笑)。万葉時代の人はホント、足に舟をよく使っていたようで、今だとタクシーに相当するのかな。 我が舟は沖ゆな離 (さか) り迎へ舟 片待ちがてり浦ゆ漕ぎ逢はむ  万1200 *我われの舟は沖に向かって離れ過ぎないように。迎えの舟を待って、浜辺で逢うつもりだから。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1199番歌(藻刈り舟沖漕ぎ来らし)~アルケーを知りたい(2033)

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▼鳥の飛び方から沖合に舟が現れたと察知する歌。漁をする舟の周りにカモメが飛ぶ場面は見たことがあるけど、この歌では鶴が飛んでいる。餌を求めて、ではなさそう。風景をスケッチする歌は、写真や絵のようにイメージを呼び起こす力があるなーと思ふ。 藻刈り舟沖漕ぎ来らし妹が島 形見の浦に鶴翔る見ゆ  万1199 *藻刈り舟が沖から漕ぎ来たようです。妹島の形見の浦で鶴が飛び回っているのが見えます。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1198番歌(あさりすと磯に棲む鶴)~アルケーを知りたい(2032)

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▼万葉時代の歌人は、山を見ても鳥を見ても、人になぞらえる。今回は鶴。夜明けの磯で鶴が鳴けば、妻を呼んでいるのだろう、と捉える。この連想、感覚が良いなーと思ふ。 あさりすと磯に棲む鶴明けされば 浜風寒み己妻呼ぶも  万1198 *魚を取るために磯に棲む鶴が夜明けから妻を呼んでいる。浜風が寒いからだろう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1197番歌(手に取るがからに忘ると)~アルケーを知りたい(2031)

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▼万葉時代は、忘れたいことがあるとき、手に取るだけで忘れてしまえる「忘れ貝」という便利ツールがあった。でも効き目のほどは、当時も怪しまれていたようだ。四文字熟語「半信半疑」の例だな。 手に取るがからに忘ると海人の言ひし 恋忘れ貝言にしありけり  万1197 *手に取るだけで忘れられると海人が主張する恋忘れ貝。言うほどの効果があるだろうか。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1196番歌(つともがと乞はば取らせむ)~アルケーを知りたい(2030)

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▼今回は、土産を現地調達する歌。今回は海辺の貝がら。川原の石も良い。枝や葉っぱも良い。どこかに行った印を親しい人に手渡す姿が良い。 つともがと乞はば取らせむ貝拾ふ 我を濡らすな沖つ白波 万1196 *お土産は?と言われたときに渡すため、ここに貝を拾いに来たのだ。打ち寄せる白波よ、私を濡らさないでくれ。 ▼この歌を分析してみました。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1195番歌(麻衣着ればなつかし)~アルケーを知りたい(2029)

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▼この歌まで藤原卿の7作品。最初の1218番の歌を見て、骨組みが漢文、その上に和歌が乗っている印象を受けた。でも「大和し思ほゆ」の1219番、「妹がため玉を拾ふ」の1220番、「大和より恋ひ来し」の1221番、「いかにして包み持ち行かむ」の1222番、「海人の燈火」の1194番、そして今回の歌を見ていると、一首目から受けた印象は一首目ならではのものでした。「麻衣着ればなつかし」は良いなあ。同じような気持ちになるモノって何かなと考えると楽しい。 麻衣着ればなつかし紀伊の国の 妹背の山に麻蒔く我妹  万1195 *麻の衣を着ると紀伊の国の妹尾山で麻の種を蒔いていた私の妻を思い出す。  右の七首は、藤原卿が作。いまだ年月審らかにあらず。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7