万葉集巻第6_938番歌(印南野の邑美の原の)~アルケーを知りたい(1809)
▼今回も山部赤人が明石の海を褒める歌。歌は3段構造になっている。①最初に場所を知らせ、②対比で説明し、③褒めて締める。938番は②の対比が鮮やか。こういう表現ができるようになりたい。 山部宿禰赤人 が作る歌一首 幷せて短歌 やすみしし 我が大君の 神ながら 高知らせる 印南野 (いなみの) の 邑美 (おふみ) の原の 荒栲の 藤井の浦に 鮪 (しび) 釣ると 海人舟 (あまぶね) 騒ぎ 塩焼くと 人ぞさはにある 浦をよみ うべも釣りはす 浜をよみ うべも塩焼く あり通ひ 見さくもしるし 清き白浜 万938 *藤井の浦にはマグロを釣りに漁師が集まり、塩を焼きに人が集まります。浦が良いから、浜が良いからです。だから天皇もお通いになるのでしょう、この清い白浜に。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6