万葉集巻第6_942番歌(あぢさはふ妹が目離れて)~アルケーを知りたい(1811)
▼赤人が長旅の途中、船から風景の移り変わりを眺めながら「 隈も置かず 」家を恋しがる長歌。赤人の目には、島々、山々、雲が家から離れた象徴に映る。家への思いが募る。 唐荷の島を過ぐる時に、山部宿禰赤人が作る歌一首 幷せて短歌 あぢさはふ 妹が目離れて 敷栲の 枕もまかず 桜皮 (かには) 巻き 作れる船に 真楫貫き 我が漕ぎ来れば 淡路の 野島も過ぎ 印南都麻 (いなみつま) 唐荷の島の 島の際ゆ 我家を見れば 青山の そことも見えず 白雲も 千重になり来ぬ 漕ぎたむる 浦のことごと 行き隠る 島の崎々 隈も置かず 思ひ我が来る 旅の日 (け) 長み 万941 *妻と別れて船旅で淡路までやってきました。我が家はというと青い山と白い雲のずっと向こう。船は相変わらず島々の間を漕ぎ進んでいますが、長い旅の一日、考えるのは我が家のことばかり。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6