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万葉集巻第7_1167番歌(あさりすと磯に我が見し)~アルケーを知りたい(1986)

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▼今回は先を越されて残念な気持ちの歌。この歌い手の残念度合は・・・というと、それほどでもなさそうな印象なのですが。どうなんでしょう(笑)。 あさりすと磯に我が見しなのりそを いづれの島の海人か刈りけむ  万1167 *磯で見つけたなのりそを刈りに行ったら、すでにどこかの漁師が刈り取っていました。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1166番歌(いにしへにありけむ人の)~アルケーを知りたい(1985)

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▼榛の木は 樹皮や果実が褐色の染料になる。今回の歌は、万葉人が 「いにしえの人」が探し求めていたというところを見ると、それより昔から榛の木が染料の素になるのは知られていた。こういう例は他にもたくさんあって、文脈というかストーリーというか由来を知らないままではもったいない。 いにしへにありけむ人の求めつつ 衣 (きぬ) に摺りけむ真野 (まの) の榛原 (はりはら)  万1166 *昔の人が衣を染めるのに探し求めた染料の元があるのが、ここ真野の榛原です。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1165番歌(夕なぎにあさりする鶴)~アルケーを知りたい(1984)

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▼今回も海辺の鶴の動向を観察した歌。鶴はいつものように狩猟をしているのだが、それをじっと見ている人間は和歌作品にする。鶴は、おい人間、歌とか作って遊んでないで仕事しろや、と内心で思っているのかも。 夕なぎにあさりする鶴潮満てば 沖波高み己が妻呼ぶ  万1165 *夕なぎの時間、餌を探していた鶴が、 潮が満ちて波が高くなると 妻を呼び始める。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1164番歌(潮干ればともに潟に)~アルケーを知りたい(1983)

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▼この歌を見て、なかなかよく観察してるじゃないか、と思った。偉そうに(笑)。干潮になると鶴が餌を獲りにやってくる、その声がしばらくすると遠ざかる。現場にいなくても、鳴き声の変化で鶴の動きが感じられる。この歌の詠み手は現地にいるので、遠ざかる鶴を見て磯を廻っているのだろう、と見当をつけている。そうかも知れないし、餌を求めて場所を変えてるだけかも知れない。餌の身になると、干潮で潟から顔を出したらいきなり鶴につかまって飲み込まれるんだから、たまったもんじゃない。声が遠ざかるとホッとするんじゃないか。 潮干ればともに潟に出で鳴く鶴の 声遠ざかる磯廻すらしも  万1164 *干潮になると潟に出て鳴く鶴の声が遠ざかるようだ。磯を廻っているのだろう。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1163番歌(年魚市潟潮干にけらし)~アルケーを知りたい(1982)

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▼今回は、時間の経過を舟がいる場所の違いで表現している歌だ。ということは、この歌い手は、舟が満潮の朝に停泊地から漕ぎ出したときから、干潮で沖合にいるのを見る間、 年魚市潟もしくはその周辺にいたのだろう。およそ6時間。 年魚市潟 (あゆちがた) 潮干にけらし知多 (ちた) の浦に 朝漕ぐ舟も沖に寄る見ゆ  万1163 *年魚市潟が干潮らしい。知多の浦で朝から漕ぎだしていた舟が沖にいるのが見える。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1162番歌(円方の港の洲鳥)~アルケーを知りたい(1981)

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▼今回は、港から見た鳥の群れが鳴きながら場所を変える様子を詠った歌。鳥が妻を呼ぶ、とまるで人のように見ている。鳥に親しみをもつ歌い手と、この歌に親しみを持つ読み手の姿が目に浮かぶ。自分もそのひとり。 円方 (まとかた) の港の洲鳥波立てや 妻呼び立てて辺 (へ) に近づくも  万1162 *円方港の波が高くなると洲にいた鳥が妻を呼びながら岸辺に寄って来る。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7

万葉集巻第7_1161番歌(家離り旅にしあれば)~アルケーを知りたい(1980)

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▼今回は秋風の寒き夕べの歌。暑い日にこの歌を見ると清涼感あり。寒い日にこの歌を見ると寂寥感あり。雁は冬鳥という。秋風+寒き夕べ+雁、で、気持ちまで寒くなりそう。  羇旅作 家離り旅にしあれば秋風の 寒き夕に雁鳴き渡る  万1161 *家から離れた旅の途中。秋風が吹く寒い夕方、雁が鳴きながら飛んでいく。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=7