投稿

5月, 2022の投稿を表示しています

キルヒホッフの第1法則:アルケーを知りたい(446)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ キルヒホッフの第1法則 は「 回路の任意の点に流れ込む電流の総和と、流れ出る電流の総和は等しい 」というもの。 ▼設定:電流I1とI2がある点に流れ込む。その点からこんどは2つに別れた回路へ電流が出ていく回路。それぞれI3、I4とする。I1、I2、I3、I4 の間には、キルヒホッフの第1法則によりI1 + I2 = I3 + I4 の関係がある。 ▼いずれか3つの電流の値が分かっているとき、残りの一つの電流の値を求めるコードを作る、とする。 ▼まずユーザに値を入力してもらう必要があるから、 まず次のコード を考えた。 I1=float(input('I1の電流:')) I2=float(input('I2の電流:')) I3=float(input('I3の電流:')) I4=float(input('I4の電流:')) ▼ そしてハタと行き止まった 。 I1+I2 =I3+I4 であることは分かってる。だけど、ユーザがどの1つを求めたいのかが分からない。 こんなとき、どんなふうに書くとスマートなコードになるのだろう? 最初の4行のコードも同じことを繰り返していて、改善の余地ありそう。 ▼今日の人物:キルヒホッフの第1法則を編み出した グスタフ・キルヒホフ (Gustav Robert Kirchhoff, 1824 - 1887)さん。ドイツの物理学者。ケーニヒスベルク大学卒業。 ブンセン さんと一緒に分光器を発明。「黒体放射」の名付け親。弟子のひとりが マックス・プランク さん。 * アルケーを知りたい(89) 黒体放射 black body radiation https://gakuryokuup.blogspot.com/2021/06/89-black-body-radiation.html アルケーを知りたい(187) ノーベル物理学賞 1908年 ガブリエル・リップマンさん https://gakuryokuup.blogspot.com/2021/09/187-1908.html 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/

電気と電流:アルケーを知りたい(445)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼中学時代、電気回路の中を流れるものは何か、という問題が出た。電気と答えるとバツだった。正解は電流。〇を貰える用語を覚えないといけない。というわけで今回から電気。 ▼小学館国語辞典:【電流】電気の流れ。直流と交流がある。その 強さをはかる単位はアンペア で、記号は「 A 」。例、電流計。 ▼中学総合的研究理科:【電流の向き】 電流は電池のプラス極からマイナス極へ流れる と決められている。 【電流回路】電気の通る道すじ。 【電流の大きさの表し方】アンペア(A)またはミリアンペア(mA)で表す。 1A = 1000mA ▼親子で学ぶ科学図鑑: 電気が回路をどう流れるかは、電流current・電圧voltage・抵抗 resistanceという3つの要因で決まる 。 電流の大きさを決める変数は2つ:電圧と抵抗 。 ▼プログラミングのアイディア: 直列回路のいろんな点の電流を問うクイズ。これは<電流の大きさはプラス極に近いほど大きく、回路を進むにつれて勢いが減り、マイナス極近くで最小になる>という思い込みを突くもの。実際は、農業水路を見ると分かるように、途中に小水力発電装置があったとしても、水流じたいに変わりはない。「直列回路では、回路のどの点でも電流の大きさは同じ」が分かっている人にはスルーされそう。 「並列回路では、極の前後の電流と枝分かれした回路の電流の合計は等しい」に基づいて、電流を計算するプログラム。 ▼今日の人物:電流の単位アンペアの基になったアンペールさん。 アンドレ=マリ・アンペール (André-Marie Ampère, 1775 - 1836)さん。父親による家庭教育(その父親は フランス革命 の犠牲者になる)。14歳で ダランベールの百科全書 を読破。電気と磁気の関係を明らかにした。 アンペールの法則 。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012. キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュア

力の単位Nと圧力の単位Pa変換:アルケーを知りたい(444)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 圧力は力の大きさを面積で割って求める 。同じ圧力なら面積が小さいと力は大きくなる。だからハイヒールのかかとで踏まれると痛いのだ、という話を先生が語った。しかし、生徒は誰もハイヒールで踏まれた経験がなかった。いまはそんなことはどうでも良くて、それぞれの単位について確認する。 ▼まず N(ニュートン) 。 ・Nは、力の大きさを表す単位である。 ・Nは、kg重でも表せる(なぜ似たようなのを2つ持ちだして話をややこしくするのかなあ?) ・1kg重とは、質量1kgの物体にはたらく地球の重力の大きさである(kg重とkg。似ているようで違うのがまた出たよ)。 ・ 1kg重は9.8N である。 ・ 1Nは0.1kg重 である(思ったより軽い)。 ▼次は、 Pa(パスカル) 。 ・圧力の求め方は、力〔N〕÷面積〔平方メートル〕である。 ・単位は、N/㎡ である。 ・ 1N/㎡ =1Pa である。 ▼ハイヒールで足を踏まれたときの圧力を出すコード。 重さkg重: 50 面積cm2: 1.5 1cm2あたり 33.3 kg重です これは 333333.3 Paです ▼コード kgw = float(input('重さkg重:')) eria = float(input('面積cm2:')) p = kgw / (eria/10000) print('1cm2あたり', round(kgw/eria, 1), 'kg重です') print('これは', round(p, 1), 'Paです') ▼今日の人物  パスカル さん、 ニュートン さんから高く評価された クリストファー・レン (Christopher Wren, 1632 –1723)さん。オックスフォード大学卒業。25歳で同大学の天文学教授。幾何学を建築や都市計画に応用し、 セント・ポール大聖堂を設計 。 ロバート・フック さんの親友。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_Wren

速さの単位knotとkm/hの変換:アルケーを知りたい(443)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 船の速さはノット(knot)で表示 されている。これはkm/hと単位を変換すると分かりやすい。 ▼単位変換のプログラムを作ると、単位Aの〇は単位Bの〇〇に相当する、という 変換の基本文型に具体的な情報を当てはめる形 になっていることがよく分かる。 ▼今回のコードは変換したい方を選んで数字を入れると変換された数字が返ってくる。 1. 時速をノットに変換 2. ノットを時速に変換 変換したい方の番号: 1 時速: 30 30.0 km/hは 16.2 ノット ▼コード def print_menu():     print('1. 時速をノットに変換')     print('2. ノットを時速に変換') def km_kt():     km = float(input('時速:'))     kt = round(km /1.852, 1)     print(km, 'km/hは', kt, 'ノット') def kt_km():     kt = float(input('ノット:'))     km = kt * 1.852     print(kt, 'ノットは時速', km, 'km/h') if __name__ == '__main__':     print_menu()     choice = input('変換したい方の番号:')     if choice == '1':         km_kt()     if choice== '2':         kt_km() ▼今日の人物: 地球が扁球 であると考えていた ピエール・ブーゲ (Pierre Bouguer、1698 – 1758)さん。フランスの数学者。造船工学の父。地球の形状調査のためフランス科学アカデミーが送り出した海外測地プロジェクトの ペルー測量隊 のメンバー。子午線弧長調査を行った。 37歳から10年かけて調査し、成果を「地球の形」という本で発表 。ブーゲさんが乗り込んだ帆船が何ノットくらい出ていたのかは不明。 〔参考〕 有山智雄et al.『中

自由落下の距離計算:アルケーを知りたい(442)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼自由落下するものには 重力加速度 が働くので、矢でも鉄砲でも、放たれた瞬間から地面に向かって落下が始まる。 ピッチャーが投げたボール、和弓の矢、コルト45の弾丸の例で計算してみた。 ▼スピードはボールが22.2m/s(80km/h)、矢が33.3m/s(120km/h)、弾が340m/sとする。 距離は20mとする。 ▼計算の結果:ボールは3.98m、矢は1.77m、弾は0.02mとなった。 ▼感想:ボールも矢も20m飛んでる間にそんなに落ちるのか? 計算が間違っているのではないか?  ▼コード speed = float(input('スピード: ')) kyori = float(input('距離: ')) time = kyori/speed Rakka_kyori = round((9.8*time*time)/2, 2) print(Rakka_kyori, 'm落下') ▼今日の人物 コルト45ガバメントを設計した ジョン・ブローニング (John Browning, 1855 - 1926)さん。アメリカの銃デザイナー。「世界の軍用銃で彼の発明に頼らないものは一つもない」(Wikipedia) 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/John_Browning

光は1秒で地球を何周するか計算:アルケーを知りたい(441)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼半径を入力すると、光が1秒で地球を何周するかが分かるプログラム。NHK「みんなのうた」の「 地球を七回半まわれ 」を口ずさみながらエンジョイしてほしい。曲名と歌詞に答えがある(笑)。 ▼ちょっと捻るため、 極周りか赤道周りか、どちらで計算するか選べるようにする。 ▼極周りを選んで半径を入力すると次のように結果が出る(極半径は自分で調べることにしてある)。 1:極周りで計算 2:赤道周りで計算 どちらで計算しますか: 1 極半径をkmで入力してください: 6356.8 光は1秒間で地球を極周りで 7.5 周回ります ▼赤道周りを選んで半径を入力すると次のように結果が出る。 1:極周りで計算 2:赤道周りで計算 どちらで計算しますか: 2 赤道半径をkmで入力してください: 6378.1 光は1秒間で地球を赤道周りで 7.5 周回ります ▼ NHK「みんなのうた」の「地球を七回半まわれ」のとおり、 どちらのコースでも 光は1秒間で地球を7周半回る 。 ▼コード def print_menu():     print('1:極周りで計算')     print('2:赤道周りで計算') def polar():     polar_earth_radius = float(input('極半径をkmで入力してください:'))     speed1 = round(299792.5/(2*3.14*polar_earth_radius), 1)     print('光は1秒間で地球を極周りで', speed1, '周回ります') def equatorial():     equatorial_earth_radius = float(input('赤道半径をkmで入力してください:'))     speed2 = round(299792.5/(2*3.14*equatorial_earth_radius), 1)     print('光は1秒間で地球を赤道周りで', speed2, '周回ります') if __name__ == '__main__':     print_menu()    

甘藷(かんしょ)先生・青木昆陽:アルケーを知りたい(440)

イメージ
今回の話題は人物ネットワーク ▼1700年代のフランス科学アカデミーでは、 地球が横に長い回転楕円体なのか、縦に長いのかで論争 があった。この決着をつけるため、測量隊が調査に乗り出した。これが1735年のこと。だいたい5年の調査で 地球は横に長い扁球と結論 が出る。このあたり面白い人とエピソードが芋づる過ぎて、すぐ取っ散らかるので、おいおい少しずつ見て行く。 この時代、日本では誰が何をしていたか、ちょっと見てみよう。 ▼今日の人物: 青木昆陽 (あおき・こんよう 1698 - 1769)さん。 飢饉の防止策として、サツマイモ栽培 の普及を図り、人々から 甘藷先生(かんしょせんせい) と呼ばれた人物。1732年に起きた享保の大飢饉で日本中が食料不足に陥る中、薩摩にはサツマイモがあった。これを知った青木昆陽さんは8代将軍・ 徳川吉宗 さんに江戸でのサツマイモ栽培を進言、採用される。サツマイモのミッションが終わった後は吉宗さんからオランダ語の習得を命ぜられる。猛勉強の結果、蘭学の先駆者になる。弟子に『 ターヘル・アナトミア 』を訳した医師・蘭学者の 前野良沢 さんがいる。 前野良沢さんは西洋の天文情報を入手しようとしていた 高橋至時 さんの人脈ネットワークの一人。至時さんが『 ラランデ暦書 』に出会ったのは1803年、江戸幕府若年寄の 堀田正敦 さんから渡されたからだ。堀田正敦さんは8代将軍・徳川吉宗さんが始めた暦の改訂事業を完遂するため、至時さんや伊能忠敬さんをバックアップしていた。 ▼人物とキーワード 青木昆陽:甘藷先生、蘭学の先駆者 師匠=伊藤東涯、弟子=前野良沢 前野良沢:蘭学者、医者 『解体新書』 (1774)  師匠=青木昆陽、弟子=司馬江漢、大槻玄沢 高橋至時:天文学者、幕府天文方 『寛政暦』(1798) 師匠=麻田剛立、弟子=伊能忠敬 伊能忠敬:商人、天文学者、測量家 『大日本沿海輿地全図』(1821) 師匠=高橋至時  堀田正敦:江戸幕府で42年間若年寄 寛政の改革を推進 測量事業をバックアップ ヨハン・アダム・クルムス:ドイツの解剖学者『ターヘル・アナトミア』(1722) ジェローム・ラランド:フランスの天文学者『ラランデ暦書』(1771) 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。

メートルと子午線弧長の関係:アルケーを知りたい(439)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼元々のメートルの定義: パリを通過する地球の赤道と北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧長(5130740トワーズ)の 1/10000000 の長さ 。 トワーズはかつてフランスで用いられたという単位で、約2m。 5130740 ✖ 2 ÷ 10000000 で計算すると、1.03m ▼現在のメートルの定義: 1秒の 299792458 分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ 。 計算式は、光が1秒間に進む長さ ÷ 299792458 光の速度は、299,792,458 m/s なので計算するまでもなく、1m ▼今日の人物: フランスがメートルを定義するときの測定値を提供した天文学者 の ニコラ・ルイ・ド・ラカーユ (Abbé Nicolas-Louis de Lacaille、1713 - 1762)さん。子午線弧長の測定と天体観測に魅せられた人。パリのコレージュマザラン大学で教授。アントワーヌ・ラヴォアジエさんは弟子。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/Nicolas-Louis_de_Lacaille

年代計算:アルケーを知りたい(438)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 高橋至時 さんが参考にした『 ラランデ暦書 』は1771年から順次フランス語で出版され、人気を集めたことからオランダ語訳され、それが日本に入ってきた。至時さんはものすごい集中力で内容を吸収した。『ラランデ暦書』からの天文知識は、伊能忠敬さんによる子午線弧長の測定にもフィードバックされた。 ▼1771年って、今から何年前?のように、年代計算がよくある。今回は、次のように西暦を入力すると今年との差が出てくるプログラム。 西暦: 1771 今年との差は 251 年です ▼コード import datetime now = datetime.datetime.now() that_year = int(input('西暦: ')) print('今年との差は', (now.year - that_year), '年です') ▼今日の人物: 『ラランデ暦書』の著者 にして ネコ好きが高じて「ねこ座」を提唱 した天文学者の ジェローム・ラランド (Joseph-Jérôme Lefrançais de Lalande、1732 - 1807)さん。 フランスの天文学者。 法律の勉強をするためにパリに出たところ、天文学と出会う。師匠から地球と月の距離を計測するプロジェクトに誘われ参加。コレージュ・ド・フランスの天文学教授。「ねこ座」以外に「軽気球座」も提唱した。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/J%C3%A9r%C3%B4me_Lalande

伊能忠敬さんが計算した子午線弧長:アルケーを知りたい(437)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今回は、子午線弧長の測定は日本でも進んでいた話。 伊能忠敬 さんをフューチャーする。 ▼1795年、日本トップの天文学者・ 高橋至時 (たかはし・よしとき) さんの弟子になった忠敬さんは、 自分で行った観測結果から、黒江町の自宅と浅草の暦局の緯度の差が1分 と見ていた。これはGoogleマップでみると、黒江町(現在の江東区永代2丁目あたり)から浅草の暦局(現在の台東区浅草橋3丁目あたり)の間で、約3km。 ▼そこで忠敬さんは、両地点の南北距離を正確に測定すれば、 1分の距離が出せて地球の大きさも計算できる 、と考えて師匠に提案する。 しかし、至時さんは「 1分では小さすぎて正確な値が出せない。江戸から北海道ぐらいの距離を測る必要がある 」と返事をする。1分の60倍が1度なので、度の単位で生じた誤差は分にすれば60倍に拡大する。さらに1分の距離から地球の距離を出すならば、21600倍することになる。元になるデータは正確なほうが良い。 ▼5年後の1800年、忠敬さんは、北海道に行って測量する。そして 子午線弧長1度を 「27里余」と計算する。続く1801年と1803年の測量では「 28.2里 」と計算する。フランスから輸入した『ラランデ暦書』(1771 )にも近い値が書かれており、二人で喜び合ったという。 ▼さて、忠敬さん計算結果を「里」を3.93kmとして、1分の子午線弧長を求めてみた。式は、28.2〔里 〕 ✖3.93 〔 km 〕 ÷60 〔 分 〕 。 結果、 1.847km になる。 1海里1.852kmと比べて誤差5メートル !  ▼冒頭の「黒江町の自宅と浅草の暦局」の距離の測定から地球を測るアプローチから出発して、至時さんのアドバイスを得て、そのあと日本を縦走して測定した結果だ。 ▼今日の人物: 伊能忠敬 (いのう・ただたか、1745 - 1818) 日本全国を測量して『大日本沿海輿地全図』を完成させた江戸時代の商人・天文学者・地理学者・測量家。江戸幕府天文方の 高橋至時 (たかはし・よしとき 、1764 - 1804 ) さんの弟子。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%

秒速か時速か、いずれかを選択してマッハ数に変換する:アルケーを知りたい(436)

イメージ
  今回の話題は(A)物理学。 ▼アルケーを知りたい(432) で、m/sやkm/hをマッハ数に換算するプログラムを作った。このプログラムの短所は、 ユーザがどちらで入力するか選択できない点 だった。 そこを改善した のが次。 ▼コードを動かすと、1か2のどちらにするか選べる。例のように1を選び、800m/sと入力すると、マッハ数が得られる。 1. m/s で入力します 2. km/h で入力します どちらの単位で入力しますか: 1 m/s: 800 800.0 m/sは、マッハ 2.4 ▼コード(Amit Saha著 黒川利明訳『Pythonからはじめる数学入門』オライリー・ジャパン、2016年の「測定単位を変換する」pp.20-21を参考にした) def print_menu():     print('1. m/s で入力します')     print('2. km/h で入力します') def m_mach():     ms = float(input('m/s:'))     m_mach = round(ms / 340, 1)     print(ms, 'm/sは、マッハ', m_mach) def km_mach():     kmh = float(input('km/h:'))     km_mach = round((kmh*1000/3600)/340, 1)     print(kmh, 'km/hは、マッハ', km_mach) if __name__ == '__main__':     print_menu()     choice = input('どちらの単位で入力しますか:')     if choice == '1':         m_mach()     if choice== '2':         km_mach() ▼今日の人物: 「マッハ数」を提唱したスイスの航空技術者 ヤコブ・アッケレット さん(1898 - 1981)。ETHチューリッヒで博士。ガスタービンの専門家。ETHチューリッヒの教授時代、 フォン・ブラウン さん(1912 - 1977)

子午線弧長の計算:アルケーを知りたい(435)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼前回の クック船長 、前々回の アラゴさん が携わった仕事は 測量 だった。で、今回は 子午線弧長の緯度1分の距離と1海里がマッチする のを確かめる。 ▼まず子午線の意味を小学館国語辞典で確認:しごせん【子午線】 「子」は北、「牛」は南のこと で、地球の表面を南北にたてに引いた線。イギリスの旧グリニッジ天文台を通る線を0度として、それより東西にそれぞれ180度に分けてある。 ▼ 子午線弧長は、緯度1分の距離のこと。 分は1度の60分の1の角度。 ▼海里との関係: 1海里は地球上における緯度の1分角の弧長、1,852 m である。 ▼地球の半径6371 kmを入れると子午線弧長が出るコード。 おおかたマッチしている。 半径(km): 6371 子午線弧長: 1.9 km ▼コード length1 = float(input('半径(km):')) length2 = 2*3.14*length1 meridian_arc_length = round(length2/360/60, 1) print('子午線弧長:', meridian_arc_length, 'km' ) ▼今日の人物: グリニッジの子午線を決めた ジョージ・ビドル・エアリー さん(George Biddell Airy、1801 – 1892)イギリスの天文学者。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ卒業。グリニッジ天文台台長、王立協会会長。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/George_Biddell_Airy

ノットと距離から時間を計算:アルケーを知りたい(434)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 多目的作業船「新日丸」が 鹿児島から知床まで移動した。今回は、船の速度のノットが分かっているとき、日本列島の南端から北端まで船で移動するのに、どれくらいの時間がかかるのか計算するコードを作った。 ▼距離は鹿児島-知床間の約2000km、スピードは新日丸の巡航速力15.0ノットで実行すると 距離(km)は? 2000 ( 2000.0 kmは 1080.0 海里) スピード(ノット)は? 15.0 ( 15.0 ノットは時速 27.8 km) この速度の場合、所要時間は 72.0 時間 ▼計算では 72時間=3日 かかる。実際は5月2日に鹿児島を出て日本海側を航行し知床には8月7日に到着している。誤差の要因として考えられるのは、距離(もっとある)、スピード(海流の影響でもっと低くなる)だ。 ▼コード km = float(input('距離(km)は? ')) kairi = round(km/1.852, 0) print('(',km,'kmは',kairi, '海里)') knot = float(input('スピード(ノット)は? ')) km_h = round(knot*1.852, 1) print('(',knot,'ノットは時速', km_h, 'km)') time = round(kairi/knot, 1) print('この速度の場合、所要時間は', time, '時間') ▼今日の人物:キャプテン・クックこと ジェームズ・クック (James Cook、 1728 - 1779)さん。イギリスの海軍士官で海図製作者。18歳で石炭運搬船団の見習い船員になり、代数学、三角測量法、航海術、天文学を勉強、船員修行を積む。27歳で英国海軍に入り海図製作の技量を発揮。38歳で 英国軍艦エンデバー号の指揮官 。史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航を成し遂げた。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 http://www.fukasal.co.jp/ship/index_2.html

体感温度のシミュレーション:アルケーを知りたい(433)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼山に登ると温度環境が変わる。 ふもとの気温と山の高度を入力すると、山頂の温度が分かるシミュレーションプログラム を作ってみた。風も体感温度に影響があるので、これも加味した。 ▼高度100mごとに0.6℃低下、風速1m/sごとに1℃低下。 ▼コード Temp1 = float(input('出発点の気温(℃):')) Height  = float(input('山の高さ(m):')) Wind = float(input('予報風速(m/s):')) Temp2 = Temp1 - (Height/100*0.6) Temp3 = Temp2 - Wind print(Height,'mの地点の気温:', round(Temp2, 1),'℃') print('体感温度:',round(Temp3, 1),'℃') ▼高尾山の例で入力すると: 出発点の気温(℃): 23 山の高さ(m): 599 予報風速(m/s): 6 599.0 mの地点の気温: 19.4 ℃ 体感温度: 13.4 ℃ ▼スペインのMola de s'Esclopという山で入力すると: 出発点の気温(℃): 19 山の高さ(m): 927 予報風速(m/s): 10 927.0 mの地点の気温: 13.4 ℃ 体感温度: 3.4 ℃ ▼今日の人物:20歳のとき子午線弧長の測定のため、スペインの山岳地帯で測量した フランソワ・アラゴ (François Arago, 1786 – 1853 )さん。測量中にフランス軍がスペインに侵入。そんなときに 海抜926メートルのMola de s'Esclop山頂で火を焚いた アラゴさんは地元民からスパイと見なされ危い状況に陥る。そんなこんなで母国に戻るまで1年かかった。しかし、測量データは無事にフランス経度局に提出。この功績で23歳で科学アカデミー会員、エコール・ポリテクニーク教授、帝立天文台の天文学者になる。天文学者、物理学者、数学者。仲間に ゲイ-リュサック さん、 フレネル さんらがいる。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文

マッハ数Mach number:アルケーを知りたい(432)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼マッハ数は音速の何倍かを表す指標、と思っていたら、それは俗に用いられている表現という(Wikipedia)。 もともとのマッハ数とは、境界を通過する流速と音速の局所的な比率を表す流体力学における無次元量のこと。 計算方法は、流体の相対速度(境界に対する局所的な流速)をu 、音速(媒体中の音速)をa とすると、   Ma = u / a だ。 中高の参考書にマッハ数が出ない理由が分かる気がする。 ▼そこで、今回は俗に用いられている表現の方で遊んでみた。 基準にするのは、気温15℃、1気圧(1,013 hPa)の空気中の音速である「海面上音速」の 340m/s ▼m/sやkm/hをマッハ数に換算するプログラム。 長所は、どちらの単位で入力しても良い点。短所は、片方だけの入力ではエラーになる点。 m_speed = float(input('m/sで入力:')) km_speed = float(input('km/hで入力:')) m_mach = round(m_speed/340,1) km_mach = round((km_speed*1000/3600)/340, 1) print(m_speed, 'm/sは、マッハ', m_mach) print(km_speed, 'km/hは、マッハ', km_mach) ▼結果。 (1)弓道やアーチェリーの矢  60.0 m/sは、マッハ 0.2 (2)調布-大島間の双発機  355.0 km/hは、マッハ 0.3 (3)火縄銃  350.0 m/sは、マッハ 1.0 (4)ジェット旅客機  800.0 km/hは、マッハ 0.7 (5)大砲の弾  800.0 m/sは、マッハ 2.4 ▼今日の人物:マッハ数の元になった エルンスト・マッハ さん(Ernst Mach,  1838 - 1916) オーストリアの物理学者。ウィーン大学で博士。39歳からプラハ大学教授。49歳のとき、 弾丸が起こす衝撃波の写真撮影に成功 。57歳からウィーン大学教授。原子論に反対の立場。マッハ数を提唱したのは、スイスの航空技術者 ヤコブ・アッケレート (1898 – 1981)さん。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕

雷の音の速さ:アルケーを知りたい(431)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼雷が光ってから音が届くまでの時間で、遠いか近いかの見当がつく。実際のところ、雷がゴロゴロ音が鳴る位置は、地上よりかなり高いから、温度の違い( 100m上昇すると温度が0.6℃低下する )が速度に影響する。そこで、 地上の気温と雷の高度を入れると、その高度での音の速さを求めるコードを作ってみた。(ごちゃついているのは私の手際がよろしくないため) temp = float(input('Temp: ')) height = float(input('Height: ')) temp2 = temp - height /100*0.6 oto_no_speed2 = 331.5 + (0.6*(temp2)) print('地上の温度が', temp, '℃のとき', '高度', height,'mの場所の温は',round(temp2, 2),'℃、音速は',  round( oto_no_speed2, 2) '〔m/s〕') 地上の気温24℃、富士山の高さで実行すると Temp: 24 Height: 3776 地上の温度が 24.0 ℃のとき 高度 3776.0 mの場所の温度は 1.34 ℃、音速は 332.31 〔m/s〕 ▼問題は、雷が鳴っている場所の高さが分からないのでそれらしい結果が出ても実はアバウトなこと(笑)、その高度での音速が分かっても地上で何の役に立つのかという疑問があること(笑)。 ▼そんなことより、高度が変われば温度も変わるので、音速も変わる。この計算を動的にやろうとすると難度が高い。できないので私の解決法は、中間地点の温度で計算してしまえ、というもの。当然、アバウトにアバウトが重なって精度なんてものはとっくになくなっている。 your_temp = float(input('Temp: ')) height = float(input('Height: ')) middle_height = height/2 temp2 = your_temp - middle_height/100*0.6 print(your_temp - height/100*0.

音の速さ計算:アルケーを知りたい(430)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今回は、音が伝わる速さを計算する。 前提条件は、温度0℃、かつ、1気圧、かつ、乾燥した空気のとき、 音の速さは 331.5 m/s 。温度が1℃上昇するごとに 0.6m/s 速くなる。ただし、高度の変化に伴う温度変化の影響はないものとする。 ▼温度を入力すると1気圧のときの音の速さが表示されるコード temp = float(input('Temp: ')) oto_no_speed = 331.5 + (0.6*temp) print('温度が', temp, '℃のときの音速:', oto_no_speed, '〔m/s〕') 中学理科の本に30℃のときは349.5m/sと書いてあるので、この数字をコードに入力して結果を検証すると・・・ Temp: 30 温度が 30.0 ℃のときの音速: 349.5 〔m/s〕 数字は合致した。 ▼ ただし、これは音の発生源と聞く人が同じ高さ=同じ温度帯にいる場合の話 。雷のように空高く温度が低い(マイナス30℃くらい)ところで発生した音を地上(20℃くらい)の人が聞く場合は、話が違ってくる。 ▼今日の人物:サイレンを鳴らしながら緊急車両が近づいたり離れたりするとき音の高さが変わる。これが「 ドップラー効果 」。この効果を発見したのが クリスティアン・ドップラー さん(Christian Doppler、1803 - 1853)ザルツブルグ生まれ。生家はモーツアルトが住んでいた家のご近所。数学者、物理学者。ウィーン工科大学卒業。39歳のとき、速度と周波数の関係を数式にして発表。音だけでなく光にも適用される。47歳でウィーン大学物理学研究所所長となり、弟子に遺伝で有名な メンデル さんがいる。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/Christian_Doppler

光速の計算:アルケーを知りたい(429)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 光は1秒で30万km進む から、速さコンテストをすれば圧倒的・史上最速・最強の存在。ただ、1秒は実感ですぐ分かるけど、30万kmという距離感は日常の距離感覚ではちょっと想像しにくい。例えば30cmなら親しみが持てる。そこで、光は30cm進むのにどれくらいの時間がかかっているのか、を計算してみる。 コード c = 30000000000 time = 30 / c print(time) 実行すると答えは 1e-09 「e-09」は小数点以下のゼロが9つ並ぶ、という意味だから、0.0000000001秒ということだ。 ゼロが9つ並んだ単位はナノなので、1ナノ秒だ。 ▼ 光が30cm進むのにかかる時間は1ナノ秒 、と分かった。 しかし、新しい問題が出た。1ナノ秒は小さすぎて日常の距離感覚からは想像しにくい。 ▼結局、ここで分かることは、超大きいまたは超小さい数字が出てくると、日常感覚ではイメージしにくい、ということ。伝えるための努力をひとつ紹介しておこう。 ▼プログラマの グレース・ホッパー さん(1906 - 1992 )は、長距離の通信に時間がかかる理由を人々に分かってもらうため、30cmに切ったワイヤーを渡して説明した、というエピソードがある。 ▼今日の人物:コードの変数に c を使った。適当にcにしたのではなくて理由がある。かつて  c ( ラテン語で速さの意味のceleritas ) を ヴィルヘルム・ヴェーバー さん(1804 - 1891)らが論文で使ったことから、以降、光速の記号がcとなった。 ヴェーバーさんは、ドイツの物理学者。ゲッティンゲン大学ハレで博士。 ガウス さん (1777-1855) の推薦を受け、27歳にしてゲッティンゲン大学の物理学教授。29歳のとき、ガウスさんと共同で最初の電磁電報を開発しゲッティンゲン大学物理研究所と天文台の間を接続。電磁気のパイオニア。ガウスさんと共に電磁単位系を作った。磁束の単位がWb(ウェーバ)。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。 https://en.wikipedia.org/wiki/Wilhelm_Eduard_Weber

速さの計算:アルケーを知りたい(428)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼ 速さの例を集めてみた 。ちょっと探すとたくさん見つかる。それぞれ面白い。 (1)マラソン(42.195km) 世界記録は2時間1分39秒 (2)短距離走(100m) 世界記録は9秒58 (3)電車 昨日、先頭車両で速度計の表示を観察したところ、瞬間的に92km/hまで行った (4)新幹線 最高速度は320 km/h (5)プロペラ機 500 km/h (6)ジェット機 900 km/h (7)ヨット 40 ノット(74.08km/h) これはアメリカスカップの記録。めちゃ速い (8)弾丸の速度 400 m/s これは拳銃。ライフルはもっと速い。 (9)ロケット 11.2 km/s (10)音 340 m/s (11)光 30万 km/s 正確には299,792,458 m/s ▼アイディア: マラソンランナーの時速が求まるコード 。前回は、小数点以下の表示が長かったので、今回は小数点2位までに調整した。 km = float(input('Enter km: ')) h = float(input('Enter minutes: '))/60 print('Answer: ', round(km/h, 2), 'km/h') Enter km: 42.195 Enter minutes: 121.39 Answer:  20.86 km/h この結果の感想: マラソンランナーの速さは20 km/h 。これは自転車の速めのスピードと同じ。マラソン選手、すごい。 ▼今日の人物:速さの計算には距離と時間が必須、というつながりでイギリスの時計師、トーマス・トンピオンさん(1639 - 1713)とジョージ・グラハムさん(1673 - 1751)を見た。今回はその続きで、 ジョン・ハリソン さん(John Harrison、1693 - 1776)。ハリソンさんは、船舶の航海に使う クロノメーターの製作者 。ハリソンさんは時計の開発費のスポンサーを探すためハーレーさんに相談する。するとハーレーさんは自分の観測装置の開発を頼んでいた時計師のグラハムさんを紹介する。グラハムさんはとても面倒見がよく裕福だったので、ハリソンさんの資金援助を引き受ける。 人の出会いとつながりの心温まるエピソ

距離の単位あれこれ:アルケーを知りたい(427)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼距離の単位はmとkm以外にもある。今回はいろいろあって面白い距離の単位で遊んでみた。 ▼Wikipediaをみると【長さの単位】は「SI単位である 長さの基本単位はメートル(記号:m)のみ である」。SIは、国際単位系(International System of Units)の略称。 ▼SIは、MKS単位系(長さの単位にメートル m、質量の単位にキログラム kg、時間の単位に秒 s を用い、この3つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していたもの)を拡張したもの。  ▼冒頭言った「いろいろある」のは、次の非SI単位。 海里(航海及び航空における距離 1,852 m) インチ ( 25.4 mm ) フィート( 0.3048 m ) ヤード( 0.9144 m ) マイル( 1,609.344 m ) 厘(りん 0.303 mm ) 寸(すん 3.0303 cm ) 尺(しゃく 30.303 cm ) 間(けん 1.818 m ) 尋(ひろ=水深 1.818 m ) 里(り 3,927.27 m ) ▼アイディア: ユーザがkmを入力すると、海里に変換するコード s = float(input('Enter km: ')) print(s/1.852, '海里') 1.852を入力した結果が次 Enter km: 1.852 1.0 海里 10を入力して実行した結果が次。デフォルトでは小数点以下がたくさん。 Enter km: 10 5.399568034557235 海里 上とは逆に、ユーザが海里を入力すると、kmに変換するコード: s = float(input('Enter 海里: ')) print(s*1.852, 'km') 実行すると次。 Enter 海里: 1.0 1.852 km ▼今日の人物:昨日のグラハムさんに続き、歴史的な時計師を紹介する。今回はグラハムさんの師匠にあたるトーマス・トンピオンさん。 英国の時計製造の父 。 トーマス・トンピオン  Thomas Tompion、1639 - 1713 生涯に高品質な約650個のクロックと約5,500個のウォッチを製作。 ロバート・フック さん(1635 - 1703)が発明したひげぜんまい時

速さ:アルケーを知りたい(426)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼この40回、中学理科の力学と熱学の概要を見てきた。このブログはもともと学力向上アプリコンテストの応援ブログなので、その性格をもっと反映させるため、これから力学ネタでプログラミングするアイディアを織り交ぜる(と決意表明)。簡単なPythonのコードも交えるので、これなら自分にもできる!と思えってもらえるはず。 ▼速さの計算に必要な知識 【計算式】 速さ = 移動した距離 ÷ 移動に要した時間 ※速さの計算は、2つの異なる量を割り算する、という離れ業をやっている。  ここで大事なことが2つある。  1つ目は、 2つの量を使って計算するとき、それぞれの量の単位を間違えない こと(笑うな!)。  2つ目は、 それぞれの量の単位の変換 ができること(馬鹿にするな!)。 ▼速さ計算では、次の単位が出てくる。 【速さの単位】km/h(キロメートル毎時)、m/s(メートル毎秒) 【距離の単位】km(キロメートル)、m(メートル) 【時間の単位】h(時間、hour)、s(秒、second) ▼アイディア: kmをmに変換するプログラム  距離をkm単位で入力してください: 〔ユーザが数値①を入力する〕   ① kmは、〇mです。 〔答えが表示される〕 ▼Pythonでプログラミングするときの注意点 ・表示が日本語だと分かりやすい。反面、コードを作る時、英語と日本語の切り替えが煩わしい。  英語だけでいく場合は、とにかく伝わればよいとして「Enter km: 」など英単語を並べるだけにする。 ・ユーザが入力する数値は、整数のほか、例えばマラソンの距離42.195kmなど小数点数が考えられる。 ・これら以外に三十など(不当な)データが入力される可能性がある。今の段階は放置。 ▼ Pythonコードの例 s = float(input('Enter km: ')) print(s*1000, 'm') ▼ 42.195で実行すると Enter km: 42.195 42195.0 m ちゃんと結果が得られました!わーい。 ▼今日の人物:運動といえば ニュートン さん(1642-1727)が出てくる。何度も取り上げたので、ニュートンさんつながりの人物を探す。例えば、プリンキピアの出版費用を出した天文学者の エドモンド・ハレー さん

熱容量:アルケーを知りたい(425)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今回は熱容量。物質はいろいろあるので、同じ質量で比べるものが比熱。日常生活で 比熱がいちばん大きいのは水(4.19) 。石や砂は0.8とか、それくらい。だから砂漠は昼夜の温度差が大きく過酷と言われる。わが国の温度変化が穏やかなのは水資源の豊かさのおかげだった。 ▼小学館国語辞典:ようりょう【容量】入れ物の中に入れることができる分量。容積。例、容量の大きな水とう。 ▼広辞苑:【熱容量】 ある物体の温度をセ氏1度上げるのに要する熱量 。一様な物体では質量と比熱との積。 ▼中学総合的研究理科:【熱容量】 ある物体のあたたまりやすさを表す量 。 その物体の熱容量=その物体が得た熱量(J) ÷ 物体が上昇した温度(℃) 熱容量の単位は、〔J/C〕 【比熱】単位質量あたりの熱容量。 ▼今日の人物:水中の羽根車を回して水の温度の変化をみるため華氏0.005度の単位で測定 していたジュールさん。 ジェームズ・プレスコット・ジュール  James Prescott Joule, 1818年12月24日、イギリスのマンチェスター近郊生まれ - 1889年10月11日、マンチェスター近郊のセールで死去(70歳) 醸造業を営む裕福な家庭の子息。病弱だったため学校に行かず家庭教育(先生はドルトンさんら)。 ジュールの法則 (電流によって発生する熱量Qは、流した電流Iの2乗と、導体の電気抵抗Rに比例する) 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012. キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』2013年、創元社。

放射 Radiating:アルケーを知りたい(424)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今日は 放射 。太陽の熱は、媒質がないとされる宇宙空間を経て地球に届く。星々の光も同様。この不思議な現象を放射という。 ▼小学館国語辞典:ほうしゃ【放射】 ものが熱や光を出すこと 。 ふく射 。 ▼広辞苑:【放射】radiation  熱線・電磁波などが物体から四方八方に放出される現象 。あるいは放出された電磁波や粒子線の総称。輻射(ふくしゃ)。 ▼中学総合的研究理科:【放射(熱放射)】物体は、物体の温度に応じて特定のエネルギーをもった電磁波を放出したり、ほかの物体から放出された電磁波を吸収したりすることで熱を伝える。このような熱の伝わり方。 放射で、物体からは赤外線という光が出ている 。 ▼親子で学ぶ科学図鑑:【放射 Radiating heat】 熱は電磁波、主として赤外線とマイクロ波の放射によって伝わります 。 Heat can travel in the form of electromagnetic radiation --- mainly infrared and microwaves . ▼今日の人物:赤外線を発見した人、ハーシェルさん。 フレデリック・ウィリアム・ハーシェル  Frederick William Herschel, 1738年11月15日、ドイツのハノーファー生まれ - 1822年8月25日、ロンドン近郊のスラウで死去(83歳)  軍楽隊のオーボエ奏者 として訓練。19歳からイギリス勤務。音楽から数学、数学から天文学へ専門領域を拡大。1781(43)天王星を発見。1800(62) 太陽光を分光した温度測定から赤外線を発見 。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012. キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』2013年、創元社。

対流 Convection Currents:アルケーを知りたい(423)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今回は対流。日常では、ポットでの湯沸かし、風呂、部屋の中の冷気と暖気が起こす空気の流れ。大きなところではマントル。 ▼小学館国語辞典:たいりゅう【対流】 熱のつたわり方の一つ 。気体や液体はあたたまると上にのぼり、上の冷たい部分が下におりてくる。これが繰り返されて熱がつたわる。 ▼広辞苑:【対流】 流体の流れによって熱や流体中の物質が運ばれる現象 。例えば、空気や水などの一部を熱すると、その部分は密度が小さくなって上層に上り、他の熱せられない密度の大きい部分が下に向かって流れ、熱が伝わる。熱対流。 ▼中学総合的研究理科:【対流(熱対流)】 気体や液体などが移動して全体に熱が伝わる こと。 ▼親子で学ぶ科学図鑑:【対流】熱にさらされた流体は上昇と下降をくり返し、持続的に熱が循環する。これを対流という。 地球表面のプレートの動きは、マントルの対流によって起こる 。Convection currents are responsible for the movement of tectonic plates on the Earth's crust. ▼今日の人物:今回は対流をとり上げたので、大気の調査を熱気球で行ったパイオニアのビオさんを紹介する。 ジャン=バティスト・ビオ  Jean-Baptiste Biot, 1774年4月21日、パリ生まれ - 1862年2月3日、パリで死去(87歳) とエコール・ポリテクニーク卒業。物理学者、天文学者。 大気を調査するため ゲイ=リュサック さんと 熱気球で5~6,000mまで上昇 。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012. キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』2013年、創元社。

熱伝導 Conduction:アルケーを知りたい(422)

イメージ
今回の話題は(A)物理学。 ▼今回は熱伝導。伝導と熱伝導の定義を確認した。 ▼小学館国語辞典:でんどう【伝導】 熱や電気などが物の中をつたわっていくこと 。例、金属は熱をよく伝導する。 ▼広辞苑:【伝導】donduction 熱または電荷が物質の中を移動する現象。 【熱伝導】熱が物体の 高温部から低温部へ物体中を伝わって移動する現象 。主に、金属での熱の伝わり方。 ▼中学総合的研究理科:【伝導(熱伝導)】 温度が異なる物体が接触しているとき 、熱は高温な部分から低温な部分に伝わる。このような熱の伝わり方。 ▼親子で学ぶ科学図鑑:【熱伝導】固体中の 熱い部分にある粒子の運動が徐々に移って、隣の粒子の動きを速め、熱エネルギーが移動していく現象 。 ▼今日の人物:セルシウスさんが設定した温度の並びを逆にして現代の状態にした、と言われるリンネさん。 カール・フォン・リンネ  Carl von Linné, 1707年5月23日、スウェーデン生まれ - 1778年1月10日、スウェーデンで死去(70歳)ハルデルワイク大学で博士。植物の分類学の父。 セルシウスさんが設定した温度目盛りは水の沸点を0度、氷点を100度。これをリンネさんらが、氷点0度、水の沸点100度に改められた という説がある。 〔参考〕 有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[四訂版]』旺文社。 DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012. キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』2013年、創元社。