大伴家持の歌~アルケーを知りたい(1073)

大伴家持は百人一首6番歌「かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける」の作者。
かささぎの渡せる橋=天の川、置く霜の=夜空の星々なので、この歌は「天の川と周辺で輝く星々を見ているうちに夜が更けた」という意味。
▼今の言葉に置き換えると意味は分かるけど、元の味わいがなくなる。元の言葉にぞ香り残れる。

▼大伴 家持 おおともの やかもち
718(養老2)年 - 785(延暦4)年10月5日 67歳。
公卿・歌人。父親は大伴旅人。筑紫歌壇の影響の下、若年から歌作りに精進。憶良・人麻呂赤人の伝統を継承。万葉集の編集者。三十六歌仙の一人。
731(13) 父・旅人が死去。
738(20) 内舎人。784(66) 持節征東将軍。

▼大伴家持の和歌と*勝手に解釈
船を多胡の浦に泊てて、藤の花を望み見て、懐を述べて作る歌
藤なみの影成す海の底清み しづく石をも珠とぞ我が見る
*海が澄んで底が藤の花が影を成しているようだ。濡れた石も玉に見えるよ。

雨晴れて清く照りたる此の月夜 また更にして雲なたなびき
*雨が止み月がきれいに照り渡っているこの夜。その上、さらに雲がたなびいている。

珠洲郡より船を発して治郡に還りし時に、長浜の湾に泊てて、月光を仰ぎ見て作る歌
珠洲の海に朝開きして榜ぎ来れば 長浜の浦に月照りにけり
*朝、珠洲の海を船出して漕ぎ進んでいると、長浜の浦に着いたときは月が照っていた。

還る時、浜の上に月光を仰ぎ見る歌
渋谷を指して我が行く此の浜に 月夜飽きてむ馬しまし停め
*渋谷(しぶたに)を目指して我らが進んでいるこの海岸。月夜に満足するまで馬をしばし休めましょう。

八月七日夜、守(かみ)大伴宿禰家持の館たちに集ひて宴せる歌
馬並めていざ打ち行かな 渋谷の清き磯廻に寄する波見に
*馬を並べ、皆でうち揃って行きましょう。渋谷の清い磯廻(いそみ)に寄せている波を見に。

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〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E5%AE%B6%E6%8C%81
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yakamot2.html

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