猿丸大夫の歌~アルケーを知りたい(1074)

猿丸大夫は百人一首5番歌「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき」の作者。
▼5番歌も良いけれど「秋は来ぬ紅葉は宿に降りしきぬ 道ふみわけてとふ人はなし」から伝わる静けさ、侘しさが良い。訪う人のいないことをただ寂しいではなく、わずらわしくなくて幸いと思っている節もある。

▼猿丸 大夫 さるまるの たいふ
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 歌人。三十六歌仙の一人。
 平安時代の書物に「何(いず)レノ世ノ人トモ知レズ」とある謎の人。『古今和歌集』の真名序に「大友黒主の歌は、古の猿丸大夫の次(ついで)なり」とある。

▼猿丸大夫の和歌と*勝手に解釈 
題しらず
ひぐらしの鳴きつるなへに日は暮れぬ と思ふは山のかげにぞありける
*ひぐらしが鳴いているな、と思っていると日が暮れた、と思っていたら山の影にいたのだった。

是貞親王の家の歌合の歌
奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋はかなしき
*山の奥で紅葉を踏み分ける鹿の鳴き声が聞こえた。その声を聞くと秋の悲しさを感じる。

題しらず
秋は来ぬ紅葉は宿に降りしきぬ 道ふみわけてとふ人はなし
*秋が来た。紅葉が家に降ってくる。道を踏み分けて訪問する人はいない。

【似顔絵サロン】














〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E4%B8%B8%E5%A4%A7%E5%A4%AB
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sarumaro.html

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