1919、質量分析法~アストン(英):アルケーを知りたい(735)

今回は物理学。

質量分析法:mass spectrometry。MS。高電圧をかけた真空中で試料をイオン化する。静電力によって試料のイオンが装置内を飛ぶ。飛んでいるイオンを質量電荷比で分離して「マススペクトル」を得る方法。

▼アストンのここが面白い:実家が豊かなのと、本人の才能豊かなのが組み合わさると最強じゃん、の具体的人物。同位体を分離する質量分析というデリケートな仕事の一方、スポーツマン(登山、スキー、スケート、サイクリング、テニス、サーフィン、自動車レース)、音楽家(ピアノ、バイオリン、チェロ)だった。

アストン Francis William Aston 1877年9月1日 - 1945年11月20日
 イギリスの化学者・物理学者 
【人物】父親は富裕な商人。
【教育/活動/業績】1894-98(17-21) バーミンガム大学でフランクランドとティルデンから化学、ポインティングから物理学を学ぶ。
1898-1901(21-24) 酒石酸誘導体の光学特性を研究・発表。
1900-03(23-26) 醸造所の研究室で化学者。
1903(26) バーミンガム大学でポインティングの助手。自作の放電管でグロー放電の陰極付近に暗い部分(アストン暗部)を発見。
1910(33) バーミンガム大学で理学士。キャヴェンディッシュ研究所でJ.J.トムソンの研究助手。イオンの研究を行う。
1914(37) バーミンガム大学で博士。
1914-18(37-41) WWI。王立航空機研究所で機体塗料の研究。
1919(42) キャヴェンディッシュ研究所に戻りネオンの同位体を分離に挑戦。そのため質量分析計を発明。質量分析計でネオンの成功に続き、212 以上の天然同位体を発見
1922(45)ノーベル化学賞受賞(非放射性元素における同位体の発見と質量分析器の開発)

【ネットワーク】
ティルデン William Augustus Tilden 1842年8月15日 - 1926年12月11日 英の化学者。▼アストンに化学を教えた先生。

ポインティング John Henry Poynting 1852年9月9日 - 1914年3月30日 英国の物理学者。バーミンガム大学で初の物理学教授。J.J.トムソンと物理学の教科書を共著。▼アストンの師匠。

J・J・トムソン Joseph John Thomson 1856年12月18日 - 1940年8月30日 イギリスの物理学者。1897(41) 電子の発見。1906(52) ノーベル物理学賞(気体の電気伝導に関する理論および実験的研究)。▼アストンが助手になり質量分析の研究を進めた。

【似顔絵サロン】
































〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Francis_William_Aston

コメント

このブログの人気の投稿

山上憶良の沈痾自哀文第五段~アルケーを知りたい(1145)

万葉集巻第二147‐149番歌(天の原振り放け見れば大君の)~アルケーを知りたい(1266)

万葉集巻22番歌(常にもがもな常処女)~アルケーを知りたい(1242)