万葉集巻22番歌(常にもがもな常処女)~アルケーを知りたい(1242)

この歌に出てくる十市皇女(とをちのひめみこ)は天武天皇と額田王の娘、弘文天皇の妻。阿閉皇女(あへのひめみこ)は天智天皇の娘で後の元明天皇。弘文天の異母妹。▼この歌は壬申の乱から3年が経過した675年、20代と10代の女性二人が伊勢神宮に参った時の作。作ったのは吹芡刀自(ふふきのとじ、伝不詳)

 明日香の清御原の宮の天皇の代 <天渟中原瀛真人天皇、謚して天武天皇といふ>
  十市皇女、伊勢の神宮に参赴ます時に、波多の横山の巌を見て、吹芡刀自が作る歌
川の上のゆつ岩群に草生さず 常にもがもな常処女にて 万22
*川の上の神聖な岩には草が生えていません。そのように私もいつまでも乙女のままでいたいものです。
 吹芡刀自はいまだ詳らかにあらず。ただし、紀には「天皇の四年乙亥の春の二月乙亥の朔の丁亥に、十市皇女・阿閉皇女、伊勢の神宮に参赴ます」といふ。

【似顔絵サロン】弘文天皇 こうぶんてんのう / 大友皇子 648年 - 672年 天智天皇の子。第39代天皇。壬申の乱で叔父の大海人皇子(天武天皇)に敗北。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

コメント

このブログの人気の投稿

万葉集巻第二147‐149番歌(天の原振り放け見れば大君の)~アルケーを知りたい(1266)

万葉集巻第二143‐144番歌(岩代の崖の松が枝結びけむ人は)~アルケーを知りたい(1264)