柿本人麻呂の歌~アルケーを知りたい(1076)

柿本人麻呂は百人一首3番歌「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む」の作者。
大伴家持倭歌の学びの道を山部赤人・山上憶良、柿本人麻呂に倣う「山柿之門」とし、紀貫之は人麻呂を「うたのひじり」、藤原俊成は「歌聖」と呼んだ
▼恥ずかしながら私は3番歌にはピンと来なかった。「磯城島の大和の国は言霊の 助くる国ぞま幸くありこそ」や「水沫の如し世の人吾等」に惹かれる。でもこの先、定家がこの歌を3番歌に選んだ気持ちが分かるかも知れないと思うと楽しみ。

▼柿本 人麻呂 / 人麿 / 人丸 かきのもと ひとまろ
645大化元年 - 724神亀元年3月18日 79歳。
 飛鳥時代の歌人。持統天皇の宮廷歌人。三十六歌仙の一人。

▼柿本人麻呂の和歌と*勝手に解釈
天(あめ)を詠む
天の海に雲の波立ち月の船 星の林に榜ぎ隠る見ゆ
*天の海に雲の波を立てながら、月の船が星々の間を漕ぎ渡っていくのが見え隠れする。

雲を詠む
あしひきの山河の瀬の鳴るなへに 弓月が岳に雲立ち渡る
*川瀬の流れの音が鳴っている山で弓月が雲を引き連れて動いている。

山を詠む
鳴神の音のみ聞きし巻向の 檜原の山を今日見つるかも
*噂を聞いていた巻向の檜原山を今日見たのだよ。

河を詠む
ぬば玉の夜さり来れば巻向の 川音高しも嵐かも疾(と)き
*漆黒の夜になると巻向の川の音が高く響く。すぐに嵐が来るかも。

葉を詠む
いにしへにありけむ人も我がごとか 三輪の檜原に挿頭(かざし)折りけむ
*昔の人も私のように、三輪の檜原で折り取った枝を頭に差していたのだろう。

所に就けて思ひを発ぶ
巻向の山辺(やまへ)響(とよみ)て行く水の 水沫の如し世の人吾等(われは)
*巻向の山で音を立てて流れる川に浮かぶ水沫のようなものだ、世の人間である我われは。

磯城島の大和の国は言霊の 助くる国ぞま幸くありこそ
*磯城島の大和の国は言霊が助ける国である。幸いであって欲しい。

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〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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