大伴旅人の万葉集955-956番歌~アルケーを知りたい(1119)

▼大宰府勤務の同僚が「先輩、都をなつかしんでおられるでしょう」と言ったのに対し、旅人は「大和もここも同じとぞ思ふ」と返したやりとり。
▼旅人の答えは、私人としての心情より官人としての心がけを面に出しているように思ふ。

 太宰少弐石川朝臣足人が歌一首
さす竹の大宮人の家と住む 佐保の山をば思ふやも君 万955
*都の大宮人が家にして住んでおられる佐保の山を貴方様はなつかしく思っていらっしゃることでしょう。

 帥大伴卿が和ふる歌一首
やすみしし我が大君の食(を)す国は 大和もここも同じとぞ思ふ 万956
*我らが大君が支配する国ですから、大和も筑紫も同じと思っておりますよ。

【似顔絵サロン】旅人(665-731)の同時代人。道鏡 700 - 772 72歳。奈良時代の僧侶。平将門、足利尊氏とともに日本三悪人。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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