大伴旅人の万葉集957-959番歌~アルケーを知りたい(1120)

▼今回の歌の舞台である香椎は福岡県東区にある博多からすぐの町。香椎の潟と歌われている場所は今の香椎海岸近辺と思ふ。

 冬の十一月に、大宰の官人等、香椎の廟を拝みまつること訖りて、退り帰る時に、馬を香椎の浦に駐めて、おのおのも懐を述べて作る歌
 帥大伴卿が歌一首
いざ子ども香椎の潟に白妙の 袖さへ濡れて朝菜摘みてむ
*さあさあ皆さん、ここは香椎の潟ですから、白妙の袖を濡らしながら朝菜にする藻を摘みましょう。

 大弐小野老朝臣が歌一首
時つ風吹くべくなりぬ香椎潟 潮干の浦に玉藻刈りてな
*潮が満ちるときに吹く風が出てきましたよ、さあさあ香椎潟の潮干の浦で藻を集めましょう。

 豊前守宇努首男人が歌一首
行き帰り常に我が見し香椎潟 明日ゆ後には見むよしもなし
*仕事の往復でいつも見ていた香椎潟ですが、異動になりましたので明日以降はもう見られません。

【似顔絵サロン】旅人(665-731)の同時代人。元明天皇 げんめいてんのう 661 - 721 60歳。第43代天皇。文武天皇の母親。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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