柿本人麻呂の万葉集36-37番歌~アルケーを知りたい(1158)

▼この長歌と反歌は持統天皇が吉野の宮に行幸したときに人麻呂が詠んだ歌。吉野の自然を称えている。持統天皇は吉野に30回以上行幸した。長歌の結びにあるように「見れど飽かぬかも」だからだろう。二つの群があり、今回は第一群。

 吉野の宮に幸す時に、柿本朝臣人麻呂が作る(第一群)
やすみしし 我が大君の 
きこしめす 天の下に 
国はしも さはにあれども 
山川の 清き河内と 
御心を 吉野の国の 
花散らふ 秋津の野辺に 
宮柱 太敷きませば 
ももしきの 大宮人は 
船並めて 朝川渡る 
舟競ひ 夕川渡る 
この川の 絶ゆることなく 
この山の いや高知らす 
水激く 滝の宮処は 
見れど飽かぬかも 万36

 反歌
見れど飽かぬ吉野の川の常滑の 絶ゆることなくまたかへり見む 万37
*いくら見ても見飽きないのが吉野の川です。常滑という苔で滑りやすい川岸にある石のように絶えることなくここを見るため私は参ります。

【似顔絵サロン】柿本人麻呂(660-724)の同時代人。持統天皇 じとうてんのう 645 - 703 第41代天皇。中大兄皇子の娘。天武天皇の皇后。春すぎて夏来るらし白妙の 衣干したり天の香具山 万28














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetailLink?cls=d_utabito&dataId=201
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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