柿本人麻呂の万葉集496-500番歌~アルケーを知りたい(1187)

▼出張先の人麻呂が自宅の妻とやりとりした格好の歌。大正・昭和時代だったら葉書に相当するのか、と思わせる。特に499番は郵便配達人と重なる。

 柿本朝臣人麻呂が歌四首
み熊野の浦の浜木綿百重なす 心は思へど直に逢はぬかも 万496
*熊野浦の浜の木綿のように何度も繰り返しお前さんのことを思うけれど、直には逢えないのだな。

いにしへにありけむ人も我がごとか 妹に恋ひつつ寐寝かてずけむ 万497
*昔の人も私のように妻を恋しがりながら寝ていたのだろうね。

今のみのわざにはあらずいにしへの 人ぞまさりて音にさへ泣きし 万498
*(妻)それは今に限ったことではありませんよ。しかも昔の人は声をあげて泣いていたそうです。

百重にも来及かぬかもと思へかも 君が使の見れど飽かずあらむ 万499
*(妻)いつも、今こそあなた様がいっしゃるんじゃないか、と思っているので、あなた様からの使いは見飽きることがありません。

【似顔絵サロン】柿本人麻呂(660-724)の先代人。穴穂部皇子 あなほべのみこ ? - 587 飛鳥時代の皇族。欽明天皇の皇子。聖徳太子の叔父。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetailLink?cls=d_utabito&dataId=201
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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