万葉集巻第八1543‐1546番歌(秋の露は移しにありけり)~アルケーを知りたい(1393)

▼1543の歌は、葉っぱの露がレンズになって色を映し出すイメージが美しい。作ったのは三原王。パレットの色は移しにありけり白い紙の人の顔に色づく見れば。

 三原王が歌一首
秋の露は移しにありけり水鳥の 青葉の山に色づく見れば 万1543
*秋の露は色が変化するのですね。水鳥のように青かった山の葉が秋色に染まるのを見ていますと。

 湯原王が七夕の歌二首
彦星の思ひますらむ心より 見る我れ苦し夜の更けゆけば 万1544
*彦星が織女との別れを悲しむ気持ちよりも、星を見上げる私たちの気持ちが苦しくなります。夜が更けるにつれて。

織女の袖継ぐ宵の暁は 川瀬の鶴は鳴かずともよし 万1545
*織女と彦星が一緒に過ごしている暁には、川瀬の鶴は鳴かなくても良いからね。

 市原王が七夕の歌一首
妹がりと我が行く道の川しあれば つくめ結ぶと夜ぞ更けにける 万1546
*妻のもとに帰る道の途中に川があるので、渡し舟の準備をしているうちに夜が更けてしまいました。

【似顔絵サロン】同時代の乱、672年の壬申の乱の関係者:壱伎 韓国 いき の からくに ? - ? 飛鳥時代の人物。渡来系。672年の壬申の乱で大友皇子側の将。葦池の側の戦いで敗北。















三原王 みはらのおおきみ ? - 752 奈良時代の皇族。舎人親王の子。従兄弟が坂合部王、智努王(文室浄三)。















湯原王 ゆはらおおきみ ? - ? 奈良時代の皇族・歌人。天智天皇の孫。志貴皇子の子。















市原王 いちはらおう 719 - ? 奈良時代の皇族。安貴王の子。大伴家持と交流。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=8

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