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万葉集巻第1_57番歌(引馬野ににほふ榛原)~アルケーを知りたい(1762)

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▼今回は、紅葉の野原に入って服を染めましょうやと呼びかける歌。上手い!マネしたい!!    二年壬寅に、太上天皇、三河の国に幸す時の歌  引馬野 (ひくまの) ににほふ榛原 (はりはら) 入り乱れ 衣にほほせ旅のしるしに  万57 *引馬野に咲き誇っている榛原にみんなで入って、衣に色を染め付け旅の印にしましょう。  右の一首は 長忌寸意吉麻呂 。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_56番歌(川の上のつらつら椿)~アルケーを知りたい(1761)

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▼今回は前の54番で見た坂門人足の「つらつら椿つらつらに」のフレーズが出て来る歌。伊藤先生の脚注によると、56番のこの歌が54番の原歌かも知れないとのこと。54番では巨勢が二度出て来るが56番は一度きり。老のこの歌を見ていると、巨勢の春野を眺めている気がしてくる。どちらにしても、つらつら気分になるのは精神に良さそう。 或る本の歌 川の上のつらつら椿つらつらに 見れども飽かず巨勢の春野は  万56  右の一首は 春日蔵首老 。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_55番歌(あさもよし紀伊人)~アルケーを知りたい(1760)

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▼今回の歌の冒頭の「あさもよし」は紀伊の枕詞で、特産の麻裳が良い、という意味。紀伊は「朝も良し」と思ってたら、違ってました。で、この歌の本意は何だろうか。紀伊の人はどこかに 行くときもどこからか来る時も 真 土山を 眺められるから羨ましい、といって真 土山と紀伊の人を誉めることにありそう。調淡海にそこまでいわれると見たくなる。 あさもよし紀伊人羨しも真土山 行き來と見らむ紀伊人羨しも  万55 *紀伊の人がうらやましいです。行くときも来るときも真土山を眺められるのですから、紀伊の人がうらやましいです。   右の一首は調音淡海。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_54番歌(巨勢山のつらつら椿)~アルケーを知りたい(1759)

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▼今回は「つらつら」の響きが楽しい春の歌。持統上皇が紀伊の国に行幸した。この歌の作者、坂門人足は同行してこの歌を詠ったのか、都で留守番をして巨勢の春野に思いを馳せたのか、どっちだろう。  大宝元年辛丑の秋の九月に、太上天皇、紀伊の国に幸す時の歌 巨勢山 (こせやま) のつらつら椿つらつらに 見つつ偲はな巨勢の春野を  万54 *巨勢山のつらつら椿をゆるりと眺めながら巨勢の春の野原に思いを馳せましょう。  右の一首は坂門人足。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_1番歌(籠もよみ籠持ち)~アルケーを知りたい(1758)

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▼今回の1番歌から前回の53番歌までが万葉集全20巻の元になった最初の歌集という。私には1番歌はとても難しいから、参考書の著者・伊藤先生仰るところの「原万葉」52首に目を通してからにした次第。 ▼余計なことだけど、万葉集に入りにくいとしたら、「1番歌の壁」問題があると思う。昔バイオリンのレッスンを受けたとき、教本の1番を飛ばして次の練習曲から始めたことがあって、恩師が「そういう習慣なんですよ」と説明してくれたことがあった。そのデンで、万葉集も2番から入ると良いかも。 ▼1番歌の壁問題とは、漢字の読みが難しい・男が可愛い子に声をかける歌じゃん(という戸惑い)・歌の後半「我」が3回出てきて押しが強すぎ・この歌を詠った雄略天皇がメチャ怖い人物・続く2番歌を消し飛ばしてしまうインパクトがある等など 。  泊瀬 (はつせ) の朝倉の宮に天の下知らしめす天皇 (すめらみこと) の代  大泊瀬稚武天皇 天皇 (おほ はつせ わかたけの すめらみこと) の御製歌 籠 (こ) もよ み籠持ち  掘串 (ふくし) もよ み掘串 (ぶくし) 持ち  この岡に 菜摘 (なつ) ます子 家告 (の) らさね そらみつ 大和の国は  おしなべて 我れこそ居 (を) れ  しきなべて 我れこそ居れ  我れこそば 告らめ 家をも名をも 万1 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_53番歌(藤原の大宮仕へ)~アルケーを知りたい(1757)

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▼今回の53番が万葉集の元になった歌集の締めの歌。最初は53首で始まった歌集だったのだ。藤原の宮と娘子を誉める明るい歌。下の句で「をとめ」「ともは」「ともしき」と「と」音が重なっているのが印象的。  短歌 藤原の大宮仕へ生 (あ) れ付くや 娘子 (をとめ) がともは羨 (とも) しきろかも *藤原の大宮に仕える廻り合わせ。そんな生まれ付きの娘子たちは羨ましい限り。  右の歌は、作者未詳。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

万葉集巻第1_52番歌(とこしへにあらめ)~アルケーを知りたい(1756)

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▼今回は藤原宮の素晴らしさをほめたたえる歌。香具山、畝傍山、耳成山、吉野山が出て来る。そして豊かな清水が湧く井戸。山々のよき、井戸のよき。  藤原の宮の御井 (みゐ) の歌 やすみしし 我ご大君 高照らす 日の御子 荒栲の 藤井が原に 大御門 始めたまひて 埴安の 堤の上に あり立たし 見したまへば 大和の 青香具山は 日の経の 大き御門に 春山と 茂みさび立てり 畝傍の この瑞山は  日の緯の 大き御門に 瑞山と 山さびいます 耳成の 青菅山は 背面の 大き御門に よろしなへ 神さび立てり 名ぐはし 吉野の山は 影面の 大き御門ゆ 雲居にぞ 遠くありける 高知るや 天の御蔭 天知るや 日の御蔭の 水こそば  とこしへにあらめ 御井の清水  万52 *吉野の立派な宮殿の井戸で湧き出る清らかな水よ、永遠なれ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1