万葉集巻第1_12番歌(我が欲りし野島は見せつ)~アルケーを知りたい(1717)
▼今回の「我が欲りし」で始まる12番歌で 、間人皇女が斉明天皇の立場で詠んだ三首が揃った。前の二首を振り返ると、草を結んで幸いを祈る11番歌、仮廬の屋根を葺く茅を刈る12番歌。13番では、まだ玉は拾っていません、と最後のピースがまだ埋まっていない状態を詠う。まだ拾ってない、ということでこれからの動きが感じられる歌。 我が欲りし野島は見せつ底深き 阿胡根の浦の玉ぞ拾はぬ 万12 或いは頭に「我が欲りし子島は見しを」といふ 右は、山上憶良大夫が類聚歌林に検すに、曰はく、「天皇の御製歌云々」といふ。 *私が見たかった野島は見せてもらいました。でもまだ、水底深い阿胡根の浦の玉は拾っていません。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1