万葉集巻第6_962番歌(奥山の岩に苔生し畏くも)~アルケーを知りたい(1822)
▼今回は、「一首歌を!」と人に言われて、「私に作れるわけないでしょう」と答えたのがそのまんま歌になる、というパラドックス作品。・・・というふうに見せて、実はうまく作った歌。いやいや、ちょっと嫌味か(笑)。 天平二年庚午に、勅して、擢駿馬使 大伴道足 宿禰を遣はす時の歌一首 奥山の岩に苔生し畏くも 問ひたまふかも思ひあへなくに 万962 *畏れ多いことに私に歌を作れと仰いますか、思い付きもいたしませんのに 右は、勅使大伴道足宿禰に帥の家にして饗す。 この日に、会集ふ衆諸、駅使 葛井連広成 を相誘ひて、「歌詞を作るべし」といふ。 その時に、広成声に応へて、即ちこの歌を吟ふ。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6