万葉集巻第6_1054-1056番歌(泉川行く瀬の水の)~アルケーを知りたい(1879)
▼久邇京を褒める長歌に続く反歌五首。うち三首。新しい都を褒めるほど寂しさを感じてしまうのは、数年後に久邇京は都でなくなるからと分かっているから。そう思うのだけれども、万葉集編集の段階でも分かっていたわけだ。その点で同じ。誉め言葉と無常観というか寂しさが重ね合わさってる歌って気がするがどうでしょう。 反歌五首 泉川行く瀬の水の絶えばこそ 大宮ところうつろひゆかめ 万1054 *泉川の瀬の水が絶えることがあれば、その時は大宮所も寂れるでしょう。 布当山山なみ見れば百代にも 変るましじき大宮ところ 万1055 *布当山の山なみを見ればこれから百代も変わることのない大宮所と分かります。 娘子らが続麻懸くといふ鹿背の山 時しゆければ都となりぬ 万1056 *娘子らが紡いだ麻を掛けるという鹿背山も、時が移って今や都になっています。 〔参考〕 伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。 https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6