アルケーを知りたい(19) 中性子 n: neutron

▼今回は原子の構成メンバーのひとつ、中性子neutronを調べてみた。発見者のチャドウィックさんはケンブリッジ大学の博士課程でラザフォードさんに指導を受けた直弟子。学位取得後もラザフォードさんの研究助手として原子の研究を前進させた物理学者。

▼1930-40年代の原子核研究は第二次世界大戦と重なり、研究成果が原子爆弾となって現れる。チャドウィックさんは原子核研究の先進国だったイギリスの専門家としてアメリカで進められていたマンハッタン計画に協力した。そのような歴史的なキャリアの持ち主。

▼さて、中性子。陽子1個の水素以外の原子では、中性子と陽子が原子核(核子)を成す素粒子。陽子と比較すると、陽子より少しだけ質量が大きい。陽子は電荷があり、中性子は電荷なしの中性。

▼陽子・中性子ともクオーク3つが結びついてできたハドロン。陽子がアップクォークが2個、ダウンクオークが1個。これに対し、中性子はダウンクオークが2個、アップクオークが1個。
これらをバリオンという呼び方をするのでアタマがこんがらがってくる。すいすい分かる高校生、すげえ。

▼ハドロンは、強い相互作用によって結合したクォークの複合粒子(素粒子の複合体である粒子の総称。ハドロンのほか原子核、原子、分子も複合粒子)のことで、名前の由来は「強い」という意味のギリシャ語。
バリオンは、3つのクォークが構成する亜原子粒子(核子や原子を構成する粒子)のことで、名前の由来は「重い」という意味のギリシャ語。

▲中性子を発見したジェイムス・チャドウィックさん。20代のときに第一次世界大戦を、40~50代のときに第二次世界大戦を経験した。

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