アルケーを知りたい(21) レプトン l: lepton

 ▼18回から20回まで、物質を構成する粒子でお馴染みの陽子・中性子・電子を見た。今回は電子の上位概念のレプトンに親しもう。

▼平尾物理(平尾淳一「総合的研究 物理」旺文社、2018年)による現代の物理学についての説明は次だ(p.715)。

・素粒子を研究する学問には、理論的な側面(素粒子物理学)と実験的な側面(高エネルギー物理学)がある。

・高エネルギー物理学では、シンクロトロンなどの粒子加速器を利用した実験や宇宙線の観測などが行われている。

・こうした研究によって、多数の新粒子が発見された。

▼実験技術や観測・測定技術が向上した結果、それまで原子が陽子・中性子・電子で構成されている、と考えられていたのが、ハドロン・レプトン・ゲージ粒子で構成されている、と考え方がバージョンアップした。現代の高校生はバージョンアップした素粒子観で学ぶ。50年前の高校生は旧バージョンの原子観なので、陽子・中性子・電子をワンノブゼム扱いされるのに違和感を感じる。しかし、これは原子観を素粒子観にバージョンアップすれば問題ないことだ(と自分に言い聞かせて)。

▼レプトンは、ハドロンと共に原子を構成する主要メンバーだ。レプトンには、電子のほかニュートリノやミュー粒子がいる。電子のことを荷電したレプトン、荷電レプトンという。電子が特別扱いしてもらっているようでちょっと嬉しい。

▼電気的に中性のレプトンに有名なニュートリノがいる。「3つの世代」とか「6種類のフレーバー」とか怪しい言葉が見えてくる。こいつらいった何だろうか。・・・焦らず急がずちょこっとずつ進もう。



















▲レプトンの命名者、レオン・ローゼンフェルトさん。ベルギー生まれの物理学者。

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