アルケーを知りたい(94) トムソンの実験 Experiments with cathode rays

▼トムソンの実験。トムソンの実験は大学入試問題に出たことがある。


▼トムソンさんは、陰極線から出ているものの正体が何か、クルックス管を改良しながら実験を重ねた。


▼仮説と実験を繰り返しながら、陰極線は粒子と考え、原子のぶどうパンモデルを考案した。ただしトムソンさんの粒子は、陰極から出てくる電子ではなく陰極付近の気体から出てくるものと考えたようだ。また、ぶどうパンモデルは大きな正電荷のパンの中に電子がぶどうのように入っているイメージだったが、これでは正電荷が大きすぎて弟子のラザフォードさんの実験では説明がつかなくなる。

▼自分の観測結果、実験結果から原子はどうやらぶどうパンに例えられるんじゃないか、と考えた初期プロセスの泥臭さがたまらなくいい。後の時代になって、今になって、んなわけねーだろ、というのは簡単。




▲Joseph John Thomson さん。仮説・実験・測定・データから対象の正体を考察。王道をゆく物理学者。初期の原子モデルの考案者。ラザフォードさんの師匠。

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