アルケーを知りたい(290) リーゼ・マイトナー/Lise Meitner_その1

今回の話題(B)フリッシュさんの叔母で物理学者のリーゼ・マイトナーさん

▼フリッシュさんの記述:(1)The next child her mother bore (in 1878) was Lise Meitner. 母のすぐ次の妹(1878年生まれ)はリーゼ・マイトナーである。

(2)Early on she became fascinated by physics and determined to study it,  早くから物理学に魅せられて、将来はそれを勉強しようと決心した。

(3)She completed that training - which normally takes eight years in high school - in two years of very intensive work. リーゼは2年間の猛烈な勉強で、普通なら高校8年間かかるそのトレーニング(大学入学資格試験)を済ませてしまった。

〔出所〕

オットー・フリッシュ著、松田文夫訳(2003)『何と少ししか覚えていないことだろう』吉岡書店。p.3

Otto Robert Frisch (1979),  What little I remember. Cambridge University Press.  p.3

▼感想:リーゼ・マイトナーさんは「早くから」物理学を志向していた。女性に閉ざされていた大学の門戸が少し開かれる。時期に恵まれる運の良さがある。男子がギムナジウムで8年かけて学ぶ勉強を2年でやり切る。時期を逃さない集中力がある。成功する要件「運根鈍」を備えていた。


リーゼ・マイトナー Lise Meitner, 1878 - 1968

1878年、ウィーン生まれ。ユダヤ系の家庭。父は弁護士。8人兄弟。

小学校、高等小学校で学ぶ。この時代、ギムナジウムは女性の入学を認めていなかった。

1892(14)高等小学校を卒業。フランス語教師になり収入を得る。

1897(19)大学入学資格試験に合格すれば女性も大学入学が認められることになる。

1899(21)フランス語教師を辞め、入試勉強を開始。

続きは次回。

コメント

このブログの人気の投稿

大伴旅人の万葉集459番歌~アルケーを知りたい(1092)

大伴旅人の万葉集876-879番歌~アルケーを知りたい(1117)

大伴旅人の万葉集577番歌~アルケーを知りたい(1097)