アルケーを知りたい(293) リーゼ・マイトナー/Lise Meitner_その4 オットー・ハーン

今回の話題(B)フリッシュさんの叔母で物理学者のリーゼ・マイトナーさん

▼フリッシュさんの記述:(1)Through her I met Otto Hahn with whom she had worked for twenty years,リーゼ・マイトナーを通して私は、彼女が20年間ともに働いてきたオットー・ハーンに会った。

(2)a collaboration that later became known to millions, leading as it did to the discovery of uranium fission, with the atomic bomb and atomic energy as the sequel.  マイトナーとハーンの共同研究は、原子爆弾と原子力を帰着点とするウランの核分裂の発見を導いたことで、後に何百万人もの人々に知られるようになる。

〔出所〕

オットー・フリッシュ著、松田文夫訳(2003)『何と少ししか覚えていないことだろう』吉岡書店。p.36

Otto Robert Frisch (1979),  What little I remember. Cambridge University Press. pp.30-31

▼感想:フリッシュさんの記述の(1)は1927年の話、(2)は1938年の話、2つの間には10年余の時間がある。フリッシュさんは、オットー・ハーンさんを好人物と感じさせる表現をしている。この作法はフリッシュさんさんの本に出てくる人物に共通している。エレガントな人物表現だ。見習うべきお作法だ。


オットー・ハーン
 Otto Hahn
, 1879 - 1938 ドイツの化学者。1944年に「原子核分裂の発見“for his discovery of the fission of heavy nuclei”」によりノーベル化学賞を受賞。 →アルケーを知りたい(233) https://gakuryokuup.blogspot.com/2021/10/233-1944.html

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