レンズ Lenses:アルケーを知りたい(394)

今回の話題は(A)物理学。

▼私は小学生から眼鏡をかけているので、レンズ(凹レンズ)歴は長い。凹レンズは眼鏡で一日中お世話になっているのに当たり前すぎるためか、あまり感謝の気持ちを持ったことがない。それに比べて凸レンズは拡大したり太陽光を集めたり像を作れるので楽しい、と思っていた。今回を機に、凹レンズにも感謝です。

▼小学館国語辞典の説明:「<lens> ガラスなどをよくみがいて作った物まん中の部分があつくて物を大きく見るものを「とつレンズ」うすくて物を小さく見るものを「おうレンズ」という。めがねやカメラなどに使う」初めて調べる人にもわかる説明だ。それぞれのレンズの説明も見ておこう。
凹レンズ「まん中がうすく、まわりがあついレンズ。通った光は四方に散る」 この四方に散る、という表現が視覚的に訴えてくる。
凸レンズ「虫めがねのように、まわりがうすく、まん中があつくなっているレンズ。ものを大きく見ることができる」概念の説明に加えて参考として機能面の説明が付加されている。

▼広辞苑の説明:「lens(オランダ・イギリス) ①光の屈折作用を示す透明体。球面と球面、または球面と平面とを両側面とする。あるいは、それを数個組み合わせたもの。普通、ガラスを精密に研磨して作り、中央部分の厚いものを凸レンズ、薄いものを凹レンズという。光学装置に使用」
 lensにカッコ付きでオランダ・イギリスとあるのが流石、広辞苑。オランダではレンズ磨きが知識人のたしなみ(?)になっていた時代があったようだ。ホイヘンスさん(1629-1695)はガリレオさんより高精度のレンズで望遠鏡を自作してタイタン土星の輪を見つけた(ガリレオさんの望遠鏡では土星の耳に見えていた)。スピノザ(1632-1677)さんも、レンズ磨きで生計を立てていると言われるほど(実際は自分の研究のため)レンズ磨きをしていた。当時、どんな道具を使ってレンズ磨きをしていたのか、知りたいものだ。

▼親子で学ぶ科学図鑑:この図鑑の解説はいつも的確にすっきり分からせてくれるのが嬉しい。
・レンズは透明なガラスまたはプラスチックでできている。
・屈折によって光の進路を変える。
・眼鏡、カメラ、望遠鏡などで光を集め像を結ぶのに利用される。
・凸レンズと凹レンズがある。(p.198)
・凸レンズはConvex(converging) lens、凹レンズはConcave(diverging) lensという。 (p.198)

▼今日の人物:引き続きレンズに関係する人物として、ケプラーさんに着目。
ヨハネス・ケプラー Johannes Kepler, 1571年12月27日、神聖ローマ帝国のシュトゥットガルト生まれ - 1630年11月15日、神聖ローマ帝国のレーゲンスブルクで死去(58歳) 天文学者。テュービンゲン大学卒業。対物レンズで実像を作り、それを接眼レンズで拡大した虚像にして見る方式の「ケプラー式望遠鏡」を設計。ティコ・ブラーエさんと共同研究。惑星の軌道は楕円を描くという「ケプラーの法則」を発見。
3人の学者の生年は次。ケプラーさんはガリレオさんより7つ年下、ティコ・ブラーエさんより25才年下
ティコ・ブラーエ 1546-1601
ガリレオ 1564 - 1642
ケプラー 1571 - 1630
→ アルケーを知りたい(59) ケプラーの法則
https://gakuryokuup.blogspot.com/2021/05/59-keplers-laws-of-planetary-motion.html

〔参考〕
DK,  Help Your Kids with Science: A Unique Step-by-Step Visual Guide, New York, Dorling and Kindersley, 2012.
キャロル・ヴォーダマンほか著、渡辺滋人・北川玲訳『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』2013年、創元社。

コメント

このブログの人気の投稿

大伴旅人の万葉集459番歌~アルケーを知りたい(1092)

大伴旅人の万葉集876-879番歌~アルケーを知りたい(1117)

大伴旅人の万葉集577番歌~アルケーを知りたい(1097)