虚像 Virtual image:アルケーを知りたい(390)

今回の話題は(A)物理学。

▼今回は「虚像」の話。広辞苑の定義は次。「virtual image 物体から出た光線がレンズ・鏡などによって発散させられ、その発散光線があたかも或る一つの像から出ているように見えるとき、この像を初めの物体の虚像という」。

▼小学館の国語辞典は「物をレンズや鏡にうつしたとき、その中に見えるすがた」とある。確かにそのとおりだ。理科の教科書を参照すると理解がさらに深まるような表現になっている。巧みだ。

国語辞典の面白いところは、探している言葉の意味以外の説明に出会える点。虚像だと「比喩的に、人や物事の、実態とは異なるイメージ広辞苑」「実際とはちがう作られたイメージ小学館の国語辞典)」という意味が載っている。

▼中学総合的研究理科は虚像を「鏡と像」の項で説明しているので、広辞苑よりかみ砕いた説明になっている。まず「物体が鏡にうつったものを像という」と言って像の説明をした後で、虚像について「わたしたちが見ている鏡にうつった像は実際に光が集まってできた像ではなく、反射した光による、見かけの像なので、特に虚像とよぶ」と、順を追って説明している。

▼今日の人物:レーザーの発明で1964年のノーベル物理学賞を受賞した3人の科学者のうちの二人目をご紹介する。
ニコライ・バソフ Nikolay Basov, 1922年12月14日、ロシアのウスマン生まれ – 2001年7月1日、ロシアのモスクワで死去(78歳)。1950(28)メーザーの研究。1955(33)レーザーの研究。1956(34)モスクワ工学物理学研究所で博士。1964(42)ノーベル物理学賞をアレクサンドル・プロホロフさん、チャールズ・タウンズさんと共同受賞(メーザー、レーザーの発明および量子エレクトロニクス分野の基礎研究)。

〔参考〕https://en.wikipedia.org/wiki/Nikolay_Basov
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科[三訂版]』旺文社。

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