マッハ数Mach number:アルケーを知りたい(432)

今回の話題は(A)物理学。

▼マッハ数は音速の何倍かを表す指標、と思っていたら、それは俗に用いられている表現という(Wikipedia)。
もともとのマッハ数とは、境界を通過する流速と音速の局所的な比率を表す流体力学における無次元量のこと。
計算方法は、流体の相対速度(境界に対する局所的な流速)をu 、音速(媒体中の音速)をa とすると、  
Ma = u / a だ。
中高の参考書にマッハ数が出ない理由が分かる気がする。

▼そこで、今回は俗に用いられている表現の方で遊んでみた。
基準にするのは、気温15℃、1気圧(1,013 hPa)の空気中の音速である「海面上音速」の340m/s

▼m/sやkm/hをマッハ数に換算するプログラム。長所は、どちらの単位で入力しても良い点。短所は、片方だけの入力ではエラーになる点。

m_speed = float(input('m/sで入力:'))
km_speed = float(input('km/hで入力:'))

m_mach = round(m_speed/340,1)
km_mach = round((km_speed*1000/3600)/340, 1)
print(m_speed, 'm/sは、マッハ', m_mach)
print(km_speed, 'km/hは、マッハ', km_mach)

▼結果。
(1)弓道やアーチェリーの矢 60.0 m/sは、マッハ 0.2
(2)調布-大島間の双発機 355.0 km/hは、マッハ 0.3
(3)火縄銃 350.0 m/sは、マッハ 1.0
(4)ジェット旅客機 800.0 km/hは、マッハ 0.7
(5)大砲の弾 800.0 m/sは、マッハ 2.4

▼今日の人物:マッハ数の元になったエルンスト・マッハさん(Ernst Mach,  1838 - 1916) オーストリアの物理学者。ウィーン大学で博士。39歳からプラハ大学教授。49歳のとき、弾丸が起こす衝撃波の写真撮影に成功。57歳からウィーン大学教授。原子論に反対の立場。マッハ数を提唱したのは、スイスの航空技術者ヤコブ・アッケレート(1898 – 1981)さん。

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ernst_Mach

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