ジュール=レンツの法則:アルケーを知りたい(449)
今回の話題は(A)物理学。
▼式:熱量Q = 電流I の2乗 ✖ 抵抗R ✖ 時間t
式の心は、熱量が欲しかったら電流をガンガン上げれば良い。注:しかし実際はそんな都合よくいかない。
▼ジュールさんは、この式を見つけるまでボルタ電池を使ってモータ、電磁石、電流、熱の実験を繰り返していた。そして、電気エネルギーが熱エネルギーに変わる現象に興味を持ち、結果、この式を得た。
▼今も理科実験室で行われているであろう「水にニクロム線を入れて電流を流して温度上昇を測る」というド定番の実験はジュールさんが始めたものだ。私は中学生のとき、手が濡れる系の実験が好きではなかった。さらに、ニクロム線で温めた水の温度を測る、という誤差がたくさん出そうなやり方も気に食わなかった。実際にジュールさんが行った実験は、中学生とは次元がまるで違う精密極まるものだったのに、それを知らなかった。中学の実験は、先達が行った実験を追体験する意味がある。今だったら手が濡れるのが嫌とか誤差がどうのとかヘタレを言わずにきっちり手順を守ってやります。
▼今日の人物:ジュールの法則を独自で見つけたロシアの物理学者レンツさん。だから「ジュール=レンツの法則」と言われる。
ハインリヒ・レンツ(Heinrich Friedrich Emil Lenz, 1804 - 1865)ロシアの物理学者、化学者。エストニアのタルトゥ大学卒業。サンクトペテルブルク大学で教授。29歳でレンツの法則、38歳でジュールの法則を発見。
〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/Emil_Lenz
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