華氏と摂氏の比較:アルケーを知りたい(458)
今回の話題は(A)物理学。
▼学校で、ジュール(英: joule、記号:J)は、エネルギー、仕事、熱量、電力量の単位、と習う。1 ジュールは重力加速度9.8m/s2の下で102.0 gの物体を 1 メートル持ち上げる時の仕事である。
▼この単位ジュールのもとになった人物は、お馴染みのイギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールさん(James Prescott Joule、1818 - 1889)である。ジュールさんは、運動による水の温度上昇を測定するため水中で羽根車を回す実験を行った。この実験の精度は、すでに456回で紹介したとおり「華氏0.005度」の単位だった。で、これは摂氏にすると何度だろうか、というのが今回のテーマ。
▼摂氏は水の凝固点から沸点を100に分割している。華氏は180に分割している。精度でいうと華氏が摂氏の1.8倍ある。これを基にした変換プログラム。動かしたのが次。
1. 華氏→摂氏
2. 摂氏→華氏
どちらですか?:1
華氏:0.005
摂氏:0.003
▼ジュールさんは摂氏0.003度の単位で水中の羽根車の運動による水の温度変化を捉えたことが分かる。おそらく中高の理科の実験室では再現できない精度だ。
▼コード
def print_menu():
print('1. 華氏→摂氏')
print('2. 摂氏→華氏')
def f_c_convert():
f = float(input('華氏:'))
c = round(f*5/9, 3)
print('摂氏:{0}'.format(c))
def c_f_convert():
c = float(input('摂氏:'))
f = round(c*9/5, 3)
print('華氏:{0}'.format(f))
if __name__ == '__main__':
print_menu()
choice = input('どちらですか?:')
if choice == '1':
f_c_convert()
if choice == '2':
c_f_convert()
▼今日の人物 温度の単位を提唱した「蘭氏温度」のランキンさん。
ウィリアム・ジョン・マッコーン・ランキンさん(William John Macquorn Rankine、1820 - 1872) 教育▽エディンバラ大学 職業▽アイルランド鉄道委員会の技師、グラスゴー大学で土木工学と機械学の欽定教授 実績▽39歳のときランキン温度目盛を提案。華氏と同じ温度間隔で絶対零度を 0 とする。熱力学の創始者のひとり。potential energy(位置エネルギー)の用語を定義した 人脈▽ジェイムズ・デイビッド・フォーブスさん(師匠。地震計を発明したスコットランドの物理学者)、ジョン・ベンジャミン・マクニールさん(アイルランド鉄道委員会に就職したときの先輩測量官)、ルドルフ・クラウジウスさん(熱力学の創始者)、ウィリアム・トムソンさん(ケルビン卿、熱力学の創始者)
〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Rankine
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