国際単位系(SI)の秒second:アルケーを知りたい(464)

今回の話題は(A)物理学。

▼時間の単位は、秒s。second。

▼秒をなぜsecondというのか、Wikipedia の説明が次:現代英語の「second」は、元々「第二の分」を意味する「second minute」と呼んでいたことを由来とする。分のことは「第一の分」を意味する「prime minute」と呼んでいた。1時間に対する第1の分割、第2の分割という意味である。

▼定義の今昔
日本の時の記念日:6月10日 日本書紀によると、日本で初めて「漏刻(ろうこく)」という水時計で時を知らせたのが671年の6月10日である。最初の時の記念日は1920年である。
昔:1日の86,400分の1を「秒」と定義した。24時間✖60分✖60で86,400秒である。
現在:セシウム百三十三の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の九十一億九千二百六十三万千七百七十倍に等しい時間(計量単位令、別表第一、第二条関係三、時間、秒)

▼産総研のサイトにある「世界でいちばん正確な1秒!」の説明の要点が次。
すべての原子は、固有の共鳴周波数を持つ。
原子は、固有の共鳴周波数のマイクロ波だけを吸収したり放出する。
セシウムの共鳴周波数は、9,192,631,770Hz。
この周波数のマイクロ波を浴びると、セシウム原子のエネルギー状態がわずかに高くなる(励起)。
セシウム原子が励起したなら、そのマイクロ波の周波数は9,192,631,770Hzである。
周波数が9,192,631,770Hzなら、その周期は9,192,631,770分の1秒である。
周期の9,192,631,770倍の時間が、1秒になる。

▼今日の人物 セシウムの発見者ふたり。
グスタフ・キルヒホフさん(Gustav Robert Kirchhoff、1824 - 1887) プロイセン(現在ロシア)生まれの物理学者。教育▽ケーニヒスベルク大学 職業▽ハイデルベルク大学やベルリン大学で教授 業績▽25歳のとき電気回路のキルヒホッフの法則を発見。36歳のときブンゼンさんと共同でセシウムを発見 人脈▽フランツ・エルンスト・ノイマンさん(師匠、ドイツの物理学者)、マックス・プランクさん(ベルリン大学時代の弟子。ブンゼンさんの推薦でキルヒホッフさんの後任教授)

ロベルト・ヴィルヘルム・ブンゼンさん(Robert Wilhelm Bunsen、1811 - 1899) ドイツの化学者。
教育▽ゲッティンゲン大学 職業▽ハイデルベルク大学で教授 業績▽分光学の創始。ブンゼンバーナーの改良。49歳のときキルヒホッフさんと共同でセシウムを発見 人脈▽フリードリヒ・シュトロマイヤーさん(師匠、ドイツの化学者)、マックス・プランクさん(ベルリン大学時代の弟子。キルヒホッフさんが死去した後の後任教授としてプランクさんを推薦した)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/Gustav_Kirchhoff
https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Bunsen

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