国際単位系(SI)の光度の単位candela:アルケーを知りたい(468)

今回の話題は(A)物理学。

▼光度の単位は、カンデラ
cd
語源はラテン語で、ろうそくのキャンドルcandleと同じ。

▼定義の今昔。
以前:1948年まで、各国で様々な光度の単位が使用されていた。
現在:放射強度六百八十三分の一ワット毎ステラジアンで五百四十兆ヘルツの単色光を放射する光源のその放射の方向における光度(五百四十兆ヘルツの単色光と異なる光については、経済産業省令で定める。)
(計量単位令、別表第一、第二条関係七、光度、カンデラ)

▼定義に出てくる用語の確認。
ステラジアン】球の半径の平方に等しい面積の球面上の部分の中心に対する立体角(計量単位令、別表第一、第二条関係九、立体角、ステラジアン)
放射強度】点状の放射源からある方向へ時間あたりに放射される放射エネルギーを表す物理量(Wikipedia)
五百四十兆ヘルツの単色光】何色の光だろう。確かめるため、前に作った振動数と波長の計算プログラムを使う。
1. 周波数から波長を知りたい
2. 波長から周波数を知りたい
選択してください:1
周波数:540_000_000_000_000
波長:5.555555555555555e-07 m
波長が555nmと分かった。波長と光の色の関係はWebで調べるとすぐ分かる。答えは、緑色の光である。
683】謎の数字だ(笑)。

▼1cdがどれくらいの光か、というと、ろうそくの光度。定義でめちゃ難しい話をしているのに、具体例でろうそくが出てくるのが良きかな(ろうそくは蝋燭と書く。読めない・書けないのでひらがなにした)。

ついでによく出てくるルーメンやルクスなどの定義も見ておこう。細かすぎて分からなくなる(笑)けど、どこに狙いをつけて測るのかによる種類の違いだ。
【光束】ルーメン。一カンデラの光源から一ステラジアン内に放射される光束(計量単位令、別表第一、第二条関係五十一、光束、ルーメン)
【輝度】カンデラ毎平方メートル。一平方メートルの平面光源の光度がその平面と垂直な方向において一カンデラであるときのその方向における輝度(計量単位令、別表第一、第二条関係五十二、輝度、カンデラ毎平方メートル)
【照度】ルクス。一平方メートルの面が一ルーメンの光束で照らされるときの照度(計量単位令、別表第一、第二条関係五十三、照度、ルクス)

▼今日の人物 「ろうそくの科学」を書いたマイケル・ファラデーさん・・・はこれまで何度も取り上げたので、今回はガス灯の普及に貢献したスコットランドの技術者・発明家ウィリアム・マードックさんを紹介する。
ウィリアム・マードックさん(William Murdoch 1754 - 1839)教育▽地元の学校と水車大工の父親 職業▽15歳でボールトン・アンド・ワット社でエンジニア、後に共同経営者 実績▽25歳で蒸気機関製造の責任者、蒸気機関の改良・革新。38歳のときガス灯を開発 人脈▽マシュー・ボールトン(ワットさんと共同でボールトン・アンド・ワット社を設立、蒸気機関を何千基も設置)、ジェームズ・ワット(ニューコメン型蒸気機関の改良と普及)、ルナー・ソサエティの会員

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Murdoch

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