国際単位系(SI)の物質量の単位mol:アルケーを知りたい(466)

 今回の話題は(A)物理学。

▼物質量の単位は、モル
mol。分子moleculeに由来。

▼定義の今昔。
以前:1800年代。「全ての物質は分子でできている」との考えの元に、その物質の分子量の数字にグラムをつけた質量に含まれる物質量を 1 mol と定義した。例えば酸素分子の分子量は 32.0 なので、1 mol の酸素分子は 32.0 g とした。(Wikipedia)
現在:六・〇二二一四〇七六に十の二十三乗を乗じた数の要素粒子又は要素粒子の集合体(組成が明確にされたものに限る。)で構成された系の物質量(計量単位令、別表第一、第二条関係六、物質量、モル)

▼計量単位令に書かれている 6.02 * 1023 がアボガドロ定数というやつ。高校の化学で初めて習った。ちっとも理解できなかった。そのときの化学の先生が女性だったので、生徒はアボガドロ婆さんと呼んでいた。失礼な話だ。

▼いまはとりあえず次のように捉えてみよう。
全ての原子は陽子と中性子と電子からできている。質量に着目する。電子はとても軽いので無視。陽子は1.673*10のマイナス27乗kgと中性子は1.675*10のマイナス27乗kgで、ほぼ同じ重さである。
究極の質量単位を得るには、質量を陽子と中性子を合計した質量数で割ればよい。
そこで、質量数12のCをとりあげ、この質量を12で割る。すると陽子と中性子の平均的な粒子の質量が得られる。得られた結果が1.66*10のマイナス27乗kgである。1.66と、陽子の1.673、中性子の1.675はとても近い。
1gの物質に粒子がどれくらい含まれるかを知るため、1 / 1.66 で計算する。結果は0.602になる。gとkgの調整をすると6.02 * 1023 個の粒子が含まれていることがわかる。

▼今日の人物 
アメデオ・アヴォガドロさん(Lorenzo Romano Amedeo Carlo Avogadro、1776 - 1856) 教育▽? 職業▽ヴェルチェッリ王立大学やトリノ大学で教授 実績▽35歳のときアボガドロの法則=全ての種類の気体において、同圧力・同温度・同体積であれば、同じ数の粒子が含まれる=を発表。 人脈▽ジョン・ドルトンさん(イギリスの物理学者。原子説を提唱) ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックさん(フランスの物理学者。気体反応の法則にアボガドロさんが刺激を受ける)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/Amedeo_Avogadro

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