海面又は空中における長さの計量、海里②:アルケーを知りたい(489)

今回の話題は(A)物理学。

▼海里の元々の定義:地球上における緯度の1分角の弧長
この定義の弱点:地球は完全な球ではない。緯度が異なると子午線弧長も若干異なる。

▼計算方法は、地球の子午線弧長 ÷ その子午線弧長分の角度、である。一海里は1,852 mと分かっているので、この数字をもとに地球を南北方向に一周した距離を計算してみよう。

360度を分に換算する:360〔度〕 ✖ 60 = 21600 〔分〕
地球を南北方向に一周した距離:1852〔m〕 ✖ 21600〔分〕 = 40003200〔m〕

▼40003200〔m〕もしくは、約40000〔km〕と分かった。この数値が正しいか確認する必要がある。
光は1秒で地球を七回半回るから、
40000〔km〕✖ 7.5〔回〕 = 300000〔km〕
光速は、299792458 m/s なのでこの計算結果が正しいことが分かる。

1852mを歩幅0.7mで歩くと2646歩になる。1海里がずいぶん親しめる距離になった。
伊能忠敬さんが自宅と職場の間が1分と知り、子午線弧長を求めようとした気持ちが分かる。

▼今日の人物 江戸時代の天文学者で高橋至時さんと共に伊能忠敬さんを指導した
間 重富さん(はざま しげとみ 1756 - 1816) 教育▽先事館(麻田剛立さんが大坂で開いた私塾) 職業▽質屋経営、江戸幕府の天文方 実績▽天体観測機器の考案と製作 人脈▽麻田剛立さん(間さんと高橋至時さんの師匠)、高橋至時さん(たかはし よしとき、麻田門下生。江戸幕府天文方の同僚)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93%E9%87%8D%E5%AF%8C

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