インダクタンスの単位、ヘンリーH:アルケーを知りたい(483)

今回の話題は(A)物理学。

▼今回は、インダクタンスの単位、ヘンリー。インダクタンスは「コイルなどにおいて電流の変化が誘導起電力となって現れる性質」。電磁誘導作用の研究から生まれた概念。中学理科ではコイルも電磁誘導も出てくる。コイルの例でモーターは取り上げるけど、回路で使うコイルはやらない。インダクタンスは義務教育のレベルを超えているからだろう。

▼銅線に電流を流すと回りに磁界が発生する。銅線を巻いてコイルにすると磁界が強力になる、とか、鉄芯を入れるともっと強くなるなどは、中学理科の直流モータや電磁石で経験する。電気と磁気は摩訶不思議な関係だ。この分野の先達に、ボルタ電池を作ったボルタさん、ボルタ電池で電磁気の実験をしたファラデーさん、銅線でコイルを作って強力な電磁石を作ったヘンリーさん他がいる。

▼計量単位令の定義は次。
ヘンリー:一秒間に一アンペアの割合で変化する直流の電流が流れるときに一ボルトの起電力を生ずる閉回路のインダクタンス
(計量単位令、別表第一、第二条関係四十三で定義されているインダクタンス)

▼今日の人物 電磁誘導作用をファラデーさんより数カ月早く発見したアメリカの物理学者
ジョセフ・ヘンリー(Joseph Henry、1797 - 1878) 教育▽ニューヨーク州の男子校アルバニーアカデミー 職業▽アルバニーアカデミーやプリンストン大学で教授、スミソニアン協会で理事長 実績▽35歳のとき自己誘導を発見。38歳のとき継電器を発明。国内の気象観測網を整備、気象予報の祖 人脈▽グラハム・ベルさん(ベルさんが発明した電話のデモを見て、ヘンリーさんは偉大な発明の芽があると高評価)、タデウス・ローさん(ローさんの気球の操縦技術や観察技術をヘンリーさんは高く評価した)、サミュエル・モールスさん(モールスさんが発明した電信機の普及を応援した)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。
https://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Henry

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