船舶の体積の計量、トンt:アルケーを知りたい(491)

今回の話題は(A)物理学。

▼今回は、
船の体積を表すトンの話。
宮崎海上保安部のWebページにトンの由来が紹介されている。帆船時代、水を入れていた樽をどれ位水が残っているかたたくと「トン」と音がすることから来ている、とのこと。マジですか(笑)。

▼親しみやすい説明がある宮崎海上保安部のWebページでは、総トン数、排水トン数、載貨重量トンの3つが紹介されている。
総トン数】貨物船や旅客船に使う単位。物やお客さんを乗せる船の内容積を表す。重さではなく、容積から出す「容積トン」である点に注意。
排水トン数】自衛艦や外国の軍艦に使う単位。水に浮かんだ船の水面下の体積と同じ量の重さ。
載貨重量トン】タンカーや鉱石運搬船に使う単位。貨物を重量として何トン積めるかを表す。

▼「船舶のトン数の測度に関する法律」には、国際総トン数、総トン数、純トン数、載貨重量トン数の4つがある。
国際総トン数は、国際航海の船の大きさを表す指標。
その計算方法は次。
閉囲場所の合計容積を立方メートルで表した数値・・・①
除外場所の合計容積を立方メートルで表した数値・・・②
V = ①-②
Vを基準として国土交通省令で定める係数を乗じて得た数値にトンを付して表す。
0.2+0.02×log10V
「船舶のトン数の測度に関する法律施行規則第九条国際総トン数の数値を算定する場合の係数」より
底を10とするlogが出てきた! logを知っておかねばならないな。船のトン・・・迷宮だね。

▼計量単位令の定義は次。
トン:立方メートルの三百五十三分の千
(計量単位令、別表第六(第五条関係)の八で定義されている船舶の体積の計量)

▼今日の人物 船がロシアに漂着、9年過ごしたのち帰国して徳川幕府に西洋事情を伝えた
大黒屋 光太夫さん(だいこくや こうだゆう 1751 - 1828)教育▽? 職業▽27歳で鈴鹿を母港とする回船の船頭 実績▽31歳で嵐のためロシアに漂着、9年ロシアで過ごしたあと帰国。蘭学者と交流し蘭学発展に寄与 

人脈▽
キリル・ラックスマンさん(博物学者。ロシア帝国サンクトペテルブルク科学アカデミーの会員。イルクーツクで大黒屋さんに出会う。帰国実現のために奔走)、バルデミー・レセップスさん(フランスの探検家。スエズ運河を開削したフェルディナン・ド・レセップスの叔父さん。探検隊がカムチャッカにいたとき大黒屋さん出会い、交流)、アダム・ラクスマンさん(キリルさんの息子、ロシア帝国の軍人。大黒屋さんを根室まで送り届けた)、エカチェリーナ2世(大黒屋さんの帰国を認めたロシア皇帝)、大槻玄沢(江戸で私塾・芝蘭堂を開いた蘭学者。新年のイベント「オランダ正月」に大黒屋さんを招待した)

〔参考〕
有山智雄et al.『中学総合的研究 理科〔四訂版〕』旺文社。
平尾淳一『総合的研究 物理』旺文社。

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