ネイピアの骨のジョン・ネイピア:アルケーを知りたい(523)
今回の話題は(*)歴史~計算。
▼ネイピアの骨は、数学史でもコンピュータ史でもマイルストーン。どうして骨で計算できるのだろうか、と思う。でも、これはネーミングの罠。ボードの上で計算用の棒を使い、掛け算、割り算、平方根を出せるというもの。また「骨」からとてつもなく古い時代をイメージしてしまっていたけど、これも間違いだった。
▼ネイピアの生まれが1550年なので、その近辺に生まれた人を見ると、どんな雰囲気の時代かなんとなくわかる。
例えば、ドレーク船長と徳川家康はネイピアの7つ年上でガリレオは14歳年下。ということは、航海術が発達し、ヨーロッパと日本の交流があり、日欧ともに知力と武力と技術力がモノを言っていた時期。ネイピアさんは貴族、城主として防衛技術にも長じていた。
▼今日の人物 ジョン・ネイピア John Napier 1550 - 1617
スコットランドの貴族、数学者、天文学者
【教育】聖アンドリューズ大学セント・サルヴァトールズ・カレッジ中退、ヨーロッパで教育を受けるためフランスなどを遊学。
【職業】城主
【業績】対数の発見。小数点の導入。ネイピアの骨の製作。炭坑の排水装置の発明。
【ネットワーク】
ヨスト・ビュルギ 1558 - 1632 スイスの時計職人、天文機器製作者。ネイピアと別に対数を発見(しかし発表しなかった)。1604-1630の間、ルドルフ2世にプラハに招かれ、ケプラーの計算係を務めた。
ヘンリー・ブリッグス 1561-1630 イングランドの数学者。ネイピアの対数から常用対数を考案した。ネイピアと直接会って話をしたり手紙のやりとりを重ねた。人柄は誠実、富を求めない人だったという。
エドマンド・ガンター 1581-1626 イングランドの数学者。対数の原理を応用し対数尺を発明した。「ガンター氏のチェーン」で、アルケーを知りたい(503)に登場。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Napier
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