幾何光学のフェルマーの原理~フェルマー:アルケーを知りたい(535)
今回の話題は(A)物理学。
▼フェルマーは、本業がフランスの裁判官、余暇に数学を楽しむ数学者で「数論の父」と呼ばれる人。アルケーを知りたい(533)で、27歳のホイヘンスが光の問題の解決に数学を導入したいと思って20以上年上のフェルマー(49)に連絡するけれど、結局うまくやりとりができなかった、というエピソードを紹介した。結局、フェルマーは単独で光の伝搬に関する問題に取り組み、54歳のときにフェルマーの原理に到達する。
▼ホイヘンスがレンズを磨いたり望遠鏡を組み立てたりする理論・実行タイプであるのに対し、フェルマーは理論タイプ。1世紀の数学者ディオファントスの著書『算術』を書き込みを入れながら考えるスタイル。発表には関心がなかったようで、フェルマーの仕事が知られるのは死後、息子が『算術』の書き込みを公開してから。
▼ピエール・ド・フェルマー Pierre de Fermat 1607 - 1665
【時代環境】フェルマーが41歳のとき80年戦争と30年戦争が終わる。ナントの勅令は生まれて死去するまで有効だった。
1568 - 1648 ~ 80年戦争(対スペインのオランダ独立戦争)
1598 - 1685 ~ ナントの勅令(フランス王がプロテスタントにカトリックと同じ権利を認めた)
1618 - 1648 ~ 30年戦争(カトリックvsプロテスタント戦争@ドイツ)
【教育】オルレアン大学で民法の学士
【職業】トゥールーズ高等法院の法律家
【業績】1661、フェルマーの原理を発見
【ネットワーク】
ディオファントス Diophantus 214 - 298 エジプトの数学者。『算術』の著者。「代数学の父」 1630、フェルマーは。ディオファントスの『算術』に48の注釈を入れる。
ジェロラモ・カルダーノ Gerolamo Cardano 1501 - 1576 イタリアの数学者。フェルマーはカルダーノの確率論を勉強した。カルダーノの名言「ギャンブラーは、全くギャンブルをしないことが最大の利益となる」
ルネ・デカルト René Descartes 1596 - 1650 フランスの数学者。1636、フェルマーと交流。フェルマーはデカルトとは別に解析幾何学を考案。
ブレーズ・パスカル Blaise Pascal 1623 - 1662 フランスの数学者。1654、フェルマーと共同で確率論の基礎を作る。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Pierre_de_Fermat
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