アルベルトゥス・マグヌスとヒ素 As:アルケーを知りたい(517)

今回の話題は(*)化学。

▼今回は、
ヒ素(砒素) arsenic 。
arsenic は、黄色の顔料という意味のギリシャ語 arsenikon が由来。

▼ヒ素のエピソード
古代ギリシアや古代ローマ時代は暗殺用。
日本ではネズミ捕り。「銀の毒」、「石見銀山ねずみ捕り」。
フランスでは「相続の粉薬 poudre de succession」。理由は、遺産相続争いで利用されていたから。
イギリスでは「愚者の毒 fool's poison」。理由は、毒殺する相手の体内に残り、後で検出できるので犯人を見つけやすいから

▼今回の人物は、ヒ素を著書で取り上げたことで現在はヒ素の発見者とされているアルベルトゥス・マグヌスさん(Albertus Magnus 1200頃 - 1280 ドイツ)
【時代環境】カトリックのなかで、ドミニコ会とフランシスコ会(プラトン的でアンチ・アリストテレスの立場)が対立していた時期。
【この人のすごいところ】万学の祖・アリストテレスの全作品に注釈を入れ、さらに新しい科学項目を追加して後進が自然科学を学ぶ土台を作ったこと
【教育】パドヴァ大学。Doctor universalis、Doctor expertus
【職業】ドミニコ会の修道士。パリ大学やドニコ会の学校で先生。
【業績】50歳頃の著作でヒ素について言及。アリストテレス全集の注解書作成。ドミニコ会の神学研究の開祖。ドイツ最大の哲学者。37名の「教会博士」の一人。カトリック聖人

【ネットワーク】
プラトンBC428 - 347 古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの師匠)
アリストテレス(BC384 – 322 大先達。万学の祖。古代ギリシャの哲学者)
ボナヴェントゥラ(1221 - 1274 フランシスコ会学派の代表人物。トマス・アクィナスと並ぶ二大神学者。アリストテレス思想に批判的。教会博士)
トマス・アクィナス(1225 - 1274 弟子。ドミニコ会学派の代表人物。『神学大全』の著者。教会博士)
【似顔絵サロン】

























〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Albertus_Magnus

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