光の回折diffractionという用語を作った~グリマルディ:アルケーを知りたい(532)
今回の話題は(A)物理学。
▼今回は(光の)回折という用語を作ったイタリアの物理学者グリマルディ。師匠のリッチョーリが素晴らしく冴えた人で、実験で確かめて理論を固めるタイプの学者だった。おかげで自由落下の実験や子午線弧長を測ったりしていた。
▼偉大な師匠の下で埋もれてしまいそうだったグリマルディだったけど、光の研究で「回折」という用語を作り、日本の理科年表に掲載されることになった。良かった。
▼光が回り込むように折れ曲がる現象は何を意味するのか、これはきっと光は粒じゃなくて波だろう、みたいな議論になる。グリマルディは光の波動説の祖のような存在。
▼フランチェスコ・マリア・グリマルディ Francesco Maria Grimaldi 1618 - 1663 イタリアの物理学者、イエズス会士
【教育】イエズス会の学校、ボローニャ大学で博士
【職業】イエズス会で司祭、ボローニャ大学で教授
【業績】1640~50、師匠のリッチョーリと落体の自由落下を研究し、落下距離が時間の2乗に比例すると発見
1644~56、リッチョーリと子午線弧長を測量して算出。残念ながら測定の精度はスネルに劣った
1660、光の回折を研究し、diffraction(回折)という用語を作る
【ネットワーク】
ガリレオ・ガリレイ Galileo Galilei 1564 - 1642 イタリアの天文学者。1592、落体の研究。
ヴィレブロルト・スネル Willebrord Snell 1580 – 1626 オランダの天文学者・数学者。三角測量法で子午線弧長を約107kmとした
ジョヴァンニ・リッチョーリ Giovanni Riccioli 1598 - 1671 イタリアの天文学者。グリマルディの師匠。落体の実験を精密に行いガリレイを批判した。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Francesco_Maria_Grimaldi
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