1776、一酸化炭素~ラソンヌ(仏):アルケーを知りたい(563)

今回の話題は化学。

▼今回は、一酸化炭素。化学式は CO 。無色・無臭・無味。非常に有毒。可燃性ガス。

▼一酸化炭素の素性が明らかになる過程:
1697、有毒な蒸気(シュタール)
1716、石炭による一酸化炭素中毒の科学的調査(フリードリッヒ・ホフマン)
1730、石炭による一酸化炭素の影響を動物実験(ヘルマン・ベルハーヴェ)
1772、一酸化炭素を合成(プリーストリー)
1773、木炭から一酸化炭素を分離、有毒な炭酸ガスと解釈(シェーレ)
1775、シュウ酸から一酸化炭素を分離(バーグマン)
1776、酸化亜鉛をコークスと一緒に加熱して CO を生成、水素と解釈de Lassone
1800、一酸化炭素は炭素と酸素を含む化合物であると解釈(William Cruickshank)
1793、一酸化炭素は静脈血を明るくすると認識、石炭の煙が血液中の酸素の解毒剤と解釈(ワット)
1793、一酸化炭素は静脈血を明るくし、酸素より動物繊維との親和性が高いと解釈(Thomas Beddoes)
1854、一酸化炭素は血液中の酸素を除去し、体内で酸化されて二酸化炭素になると解釈(Adrien Chenot)
1857、一酸化炭素とヘモグロビンの親和性を認識(クロード・バーナード)
1858、赤血球と酸素の結合をヘモグロビンの機能として認識(フェリックス・ホッペ・セイラー)

ジョセフ・マリー・フランソワ・ド・ラソンヌ Joseph-Marie-François de Lassone 1717年7月3日 - 1788 年12 月10日 フランスの医師、化学者
【人物】父親は教育熱心な医師
【教育】コレージュ・ド・フランス
【職業】パリの医学部で教授。マリー・アントワネットとルイ16 世の医師
【業績】1776(59)酸化亜鉛をコークスと一緒に加熱して CO を生成水素と解釈。
王室で予防接種を実施、狂犬病の治療方法の研究、王立医学協会の創設に協力(フランス革命時に解散)

【同時代人】同じ年生まれの2人。
ダランベール Jean Le Rond d'Alembert 1717 - 1783 フランスの数学者、物理学者。ディドロと共に百科全書の共同編集者を務めた。

ピエール・ル・ロワ Pierre Le Roy 1717 - 1785 フランスの時計師。1784 自分の名を商号とした時計メーカー、ルロワ(Le Roy)を設立

【ネットワーク】
ソヴール・モラン Sauveur-François Morand 1697 - 1773 フランスの外科医。百科全書の寄稿者 ▼ド・ラソンヌの指導教員。

フェリックス・ダジール Félix Vicq d'Azyr 1748 - 1794 フランスの医師。王妃マリー・アントワネットの主治医、ルイ 16 世の顧問医師。王立医学協会の創設リーダー ▼ド・ラソンヌは王立医学協会の創設に協力。

【似顔絵サロン】


















〔参考〕
『理科年表2022』
https://fr.wikipedia.org/wiki/Joseph-Marie-Fran%C3%A7ois_de_Lassone

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