1781、モリブデン~イェルム(瑞):アルケーを知りたい(565)
今回の話題は化学。
名前の由来はギリシャ語で鉛の molybdos。モリブデン鉱物が方鉛鉱に似ているため。
▼自転車のフレームには、鋼 + クローム + モリブデンの合金(クロモリ)のものがある。特徴は、錆びにくい、細身でも強度がある、軽量にできる、乗り心地がしなやか。アルミやカーボンと並び持続的な人気がある。
▼モリブデンの素性が明らかになる過程。
1778、輝水鉛鉱と硝酸の反応から得た酸化物を「水鉛土 wasserbleierde」と命名(シェーレ)
1781、イェルムが単離に成功
▼ピーター・ヤコブ・イェルム Peter Jacob Hjelm 1746年10月2日 - 1813年10月7日 スウェーデンの化学者
【人物】父は教区司祭
【教育】ウプサラ大学で博士
【職業】鉱業アカデミーで教授、1782(36)王立造幣局で鉱物の分析試験官
【業績】1781(35)モリブデンの単離に成功、モリブデンと命名
【同じ年生まれ】
ガスパール・モンジュ Gaspard Monge 1746 - 1818 初めて黒板を使って授業をした先生。フランスの数学者。エコール・ポリテクニークの創設者。
ジョン・フラムスティード John Flamsteed 1646 - 1719 自費で観測機材を買いそろえて天体観測に励んだイギリスの天文学者。自称「宮廷付占星術師」、人は「グリニッジ天文台長」と呼んだ。
ジャック・シャルル Jacques Charles 1746 - 1823 「シャルルの法則」で名高いフランスの数学者、気球乗り
ロバート・リビングストン Robert R. Livingston 1746 - 1813 アメリカ独立宣言の起草委員のひとり。蒸気船の運用に成功したロバート・フルトンの応援者。
【ネットワーク】
カール・シェーレ Karl Wilhelm Scheele 1742 - 1786 物質を舐めて確かめるクセがあるスウェーデンの化学者。▼シェーレが見つけたモリブデンを4年後にイェルムが単離したのでイェルムがモリブデンの発見者として認知される。アシモフに「運の悪いシェーレ」と言われる理由のひとつ。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Jacob_Hjelm
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