1783、タングステン~エルヤル兄弟(西):アルケーを知りたい(567)

今回の話題は化学。

▼今回は、
タングステン。元素記号 W、原子番号74、英で tungsten。重い石の意。
W はドイツ語 Wolfram に由来。スズ鉱石の精製中にタングステン鉱石が混じると、スズを狼 Wolf のようにむさぼり食べるから。

▼発見の経緯:
1781、シェーレが灰重石から酸化タングステンの分離に成功し、タングステン酸と命名
1783、スペインのエルヤル兄弟が、タングステン酸を還元して単離に成功、Wolframと命名

▼タングステンは硬くて脆いというイメージが持たれている。これは不純物が混じっているためである。高純度なタングステンは柔らかい(日本語版Wikipedia)。

▼用途:電球のフィラメント(LEDに代替)、徹甲弾の弾芯(劣化ウラン合金と競合)

ファン・ホセ・デ・エルヤル・イ・デ・スビサ Juan José de Elhuyar y de Suvisa 1754年6月15日 - 1796年9月20日 スペインの化学者、鉱物学者
【教育】ドイツのフライベルク鉱山専門学校で冶金学を学び、ウプサラ大学で化学を学ぶ。
【職業】コロンビアのヌエバ・グラナダ鉱山で校長
【業績】1783(29)弟のファウスト・デ・エルヤルとタングステンの単離に成功

【同時代人】
ウィリアム・マードック William Murdoch、1754 - 1839 スコットランドの技術者・発明家。ガス灯の発明者。ボールトン・アンド・ワット商会の共同経営者。ルナ・ソサイエティのメンバー。

タレーラン Charles-Maurice de Talleyrand-Périgord 1754 - 1838 フランスの政治家。「タレーランは金儲けに精を出していないときは、陰謀を企んでいる」「裏切りの天才」ナポレオンはタレーランの政治手法を「絹の靴下の中の糞」などの悪評の一方、普遍的な物理量基準の必要性を提唱しメートル単位の設定を推し進めた人物。

ジョゼフ・プルースト Joseph Louis Proust 1754 - 1826 フランスの化学者。ジャック・シャルルの友人。化合物が元素の整数比の組合わせでできている考えを広めた。

【ネットワーク】
トーバーン・バーグマン Torbern Bergman 1735 - 1784 スウェーデンの化学者、鉱物学者 ▼エルヤル兄がウプサラ大学で師事。

【似顔絵サロン】































〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Juan_Jos%C3%A9_Elhuyar

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